「お出会いする」という敬語はおかしくないですか?
ある著名な政治家が、スピーチや著書などで好んで使う表現、「お出会いする」。
どうにも違和感があるのですが、これは正しい敬語表現でしょうか。

そんな質問をいただきました。
そこで、その「違和感」の理由を探ってみます。
まず、「お(ご)~する」という表現は、敬語の種類で言うと、「謙譲語」と呼ばれるものです。
つまり、「~する」という動作をされる人(動作の客体)に対する敬意を表すものです。
でも、「出会う」というのは、偶然性が高い。
意図的に行った動作ではないわけです。
そのため、敬語を使うと違和感があるのではないでしょうか。
もし、出会えたことに感謝し、相手に敬意を表するのであれば、
- お会いできた
- お知り合いになれた
- ご縁をいただいた
といった表現が考えられます。
さらに、私の師匠のご意見もうかがいました。
その結果、
出会いというのは「AさんとBさんの出会い」とも言えるように、2人で同時に同じ行為をしている訳ですから、どちらか一方の動作に限定できないように思います。
尊敬語も謙譲語も、どちらか一方の行為を表すものですから、そもそもこの表現になじまないのかもしれません。
とのご指摘をいただきました。
さらに、
「AさんがBさんとご結婚された」というのが反例になるかもしれませんが、「ご結婚」はすでに「ご結婚のお祝い」のように名詞としても定着していますので、「する」を付け易いのでしょうね。
とのことでした。
皆さんの「激しい違和感」の理由が解消されたでしょうか(笑)
こんなご質問、どんどんお寄せくださいね♪