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2022年12月

「お返事をいただけていないようです」は正しい表現?

こんな質問をいただきました。

「お返事をいただけていないようです。」
という表現は正しいのでしょうか。
市販のメールの書き方の本にもサンプルとして載っています。
私は、あまり好きではない表現です。

それ、わかります。。。

理由は、自分は返事をもらう権利があるのに、まだもらえていないという印象を受けるからです。

確かに!
私も、そう思います。

「お返事をいただいていません」と、ぴしゃっと言うよりは、配慮が感じられます。

でも、返事をする義務があるかどうかなど、状況によっては、感じの悪い言い方にもなりますよね。

 

「お返事をいただけていないようです」でカチンとくるケース

例えば、見ず知らずの会社から「アポイントのお願い」といった営業メールが来た場合などです。

こちらは返事をする義務はないのに、「お返事をいただけていない」といった催促メールが来たら、カチンときます!

ただし、「お返事をいただいていない」でもカチンときますけど(笑)

 

「お返事をいただけていないようです」を使わない書き方

逆に、お仕事をいただいた件で、こちらがお返事を忘れていたとか、遅くなった場合などは、「お返事をいただけていない」と言われても仕方ないことは確かです。

それにしても、「私は返事をもらう権利があるのに、あなたはちゃんとしていない」と責められている感じは出てしまいますよね。

むしろ、

  • 行き違いかもしれない
  • 自分が見落としているのかもしれない
  • 催促がましくて申し訳ない

といった配慮を示すために、

  • 「○月○日○時の時点では受信していないようなのですが、見落としているかもしれません」
  • 「お忙しいところ、催促がましくて恐縮です」

といった書き方のほうが、印象がいいかと思います。

いかがでしょうか。お答えになったでしょうか。

 

 

このような、言葉に対する「違和感」、「モヤモヤ」、ありませんか。

ご質問、お寄せください♪

出張中とか、お仕事の〆切が迫っているとかでなければ、ソッコーでお答えします(笑)

 

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読点「、」の適切な数は?

読点の打ち方3パターン

読点「、(テン)」の打ち方、どうしてますか?

次の三つの例文のうち、どの読点の打ち方が、しっくりきますか?

例文1:文と文とのつなぎ目だけに打つ

個人大工は一人ですべての工程を担当することはできないので普段から付き合いのある専門業者にそれぞれ声をかけることになります。

例文2:主語の後にだけ打つ

個人大工は一人ですべての工程を担当することはできないので普段から付き合いのある専門業者にそれぞれ声をかけることになります。

例文3:主語の後と文のつなぎ目と両方に打つ

個人大工は一人ですべての工程を担当することはできないので普段から付き合いのある専門業者にそれぞれ声をかけることになります。

読点の打ち方に関するお悩み

これは、「読点が多い」と指摘され、モヤモヤしている方からのご質問です。

この方は、例文1のような読点の打ち方をするそうです。

でも、「主語の直後に読点を打つ」文章もよく見かけるので、例文2のように修正したりする。

さらに、例文3のように、妥協して両方を採用してしまい、「後悔する」こともあるとか。

その結果、「一文に読点が多い」と指摘され、「細切れに読点を打ってしまうのが私の癖」とお悩みのご様子。

つまり、この方は「読点は少ないほうがいい」と思っていらっしゃる(教えられている)ようです。

そのため、「例文1のパターンで行きたいけれど、読み手は不自然に感じるものなのでしょうか」とのご質問でした。

小田流・読点の打ち方

小説などの文学作品はともかく、ビジネス文書では、「読点が少ないと読みづらい」と私は考えます。

そのため、私なら、次のように書き換えます。

小田の改善案:もっと読点を増やす!

個人大工は一人ですべての工程を担当することはできませんそのため普段から付き合いのある専門業者にそれぞれ声をかけることになります。

これは、小田の「読点ポリシー」が次のようなものだからです。

読点を打つケース
  1. 主語・主題の提示直後
  2. 日時や場所(「誰に」も含む)の提示直後
  3. ひらがなや漢字表記が続くとき
    例)例文1の「業者にそれぞれ」
  4. 動詞の連用形の後
  5. 対になる句の場合は接続のところだけに打つ
  6. 接続詞(句)の後
    ただし、文中に接続詞を使うと1文が長くなるので、接続詞は文頭だけにする
  7. 文中に長い句を挿入する場合?!
    文中に長い句を挿入する場合は、その前後に「、」を打つというルールもあります。でも、文中に長い句を挿入すると、文を理解しづらくなります。そのため、私は、長い句は注記にして、別の文にします。

※それぞれの例文や解説は、『令和時代の公用文 書き方のルール―70年ぶりの大改定に対応』(学陽書房)P.48・49をお読みくださいませ。

「一文一義」とか「1文1トピック」って、よく言いますよね。

文と文とを、接続詞や読点でつなぐのではなく、文を分割して短文化するのが小田流です。

適切な読点の打ち方、読点の数は?

JustSystems のサポートFAQに、「読みやすさの基準」が示されています。

そこには、「平均句読点間隔」として、以下の文字数が明記されています。

  • 社説:15文字
  • 教科書:11文字
  • マニュアル:8文字
  • 雑誌:13文字

さきほどの例文で数えてみると、以下のようになりました。

句読点間の平均文字数(カッコ内は文長→句点は除く)
  • 例文1:30字(60字)
  • 例文2:30字(61字)
  • 例文3:20字(62字)
  • 小田の改善案:12.6字(23+38字)

Microsoft Word の「読みやすさの評価」画面

(Microsoft Word で測定)

この例文は、JustSystems の「読みやすさの基準」で言えば、「雑誌」に分類されるでしょうか。

したがって、句読点間隔の平均値としては、「13文字」程度が読みやすい……

と考えると、例文1~3は、「句読点が少なすぎる」ことになろうかと思います。

おまけ

ちなみに、Microsoft Word の「読みやすさの評価」では、「句点の間の平均文字数」と表示されます。
でも、それでは「平均文長」と同じになってしまうのでは……
「句点の間」ではなく、「句読点の間」ではないかと思います。

 

 

このような、言葉に対する「違和感」、「モヤモヤ」、ありませんか。

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