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「お大事にされてください」は間違いですか?

  • 時間をかけてゆっくり「休まれて」ください。
  • お大事に「されて」ください。

ついつい使ってしまうのですが、これも敬語の誤用でしょうか。

 

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こんな質問をいただきました。

この方の違和感の原因は、三つあると思います。

順に解説します。

違和感1 「お(ご)~する」は謙譲語では?

「お(ご)~する」は謙譲語です。

例えば、「聞く」という動作の場合、

  • 「先生が私に聞きになる」(尊敬語)
  • 「私が先生に聞きする」(謙譲語)

といった使い分けをします。

つまり、

  • 「聞く」という動作をする人(動作の主体)を敬いたいときは、尊敬語を使う
  • 「聞く」という動作をされる人(動作の客体)を敬いたいときは、謙譲語を使う

わけです。

 

では、

「先生、お大事にされてください」

は、誰が誰を「大事にする」のでしょうか。

 

……「先生が先生(自分自身)を大事にする」のですよね。

そう考えると、謙譲語を使って、「大事にする」という動作をされる人(客体)を敬うのは、まんざら間違いでもないかもしれません?!

でも、「大事にする」という動作をする人(主体)も敬いたい……ということで、「される」と尊敬語も使ってみた、というところでしょうか?!

(「間違いだ」と明言すると、「言葉狩りだ!」と非難・攻撃され、「言葉狩り狩り」※に遭うのも怖いので 笑)

※言葉の使い方を「間違っている」と指摘すると、「言葉狩り」だと言われることがあります。そのような「言葉狩り」を批判することを「言葉狩り狩り」と表現しています。「オヤジ狩り狩り」的な(笑)

 

違和感2 「れる」は尊敬? 受け身?

「れる(られる)」という助動詞には、

  1. 可能
  2. 自発
  3. 受け身
  4. 尊敬

と四つの意味があります。

そのため、「先生、お大事にさてください」と言うと、「家族とか誰かに大事にされる」といった「受け身」にも解釈できますよね。

 

ということで、間違いだとは言いませんが、私は「お大事になさってください」と言います。

 

違和感3 「される」 < 「なさる」 の気がする……

ちなみに、「休まれてください」に関しては、特に間違っているわけではありません。

(「お休みされてください」はちょっとダメかなwww)

でも、私なら「お休みください」と言います。

 

……と、ここまで説明して、質問者ご本人は、

「お大事になさってください」を使える大人を目指します

とのことでしたが、いまひとつ、腑に落ちないご様子。

おそらく、

なぜ、「されてください」に違和感があり、「なさってください」だとイイ感じがするのか

ということに対して、今度はモヤモヤしたのではないでしょうか。

 

それについては、

先生が言われた

と言うより、

先生がおしゃった

と言ったほうが、なんかカッコいいですよね。

それと同じなのだと思います。

 

「れる(られる)」をくっつければ、たいていの動詞は尊敬語にすることができます。

でも、「おっしゃる」とか「召しあがる」、「お越しになる」といった表現のほうが、「ちゃんとした感」がありますよね。

逆に「れる(られる)」は、「尊敬」以外にもいろんな意味を持つ助動詞ですから、「お手軽感」があるというか。

 

だから、「お(ご)~なさる」という表現のほうが、「ちゃんとした敬語」感があるんだと思いますよ。

そんなことをお伝えしたら、「とても腹落ちしました」とのことでした。

めでたし、めでたし✨

 

このような、言葉に対する「違和感」、「モヤモヤ」、ありませんか。

ご質問、お寄せくださいね♪

 

 

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