読解力は人生を左右する?!
今回も、
『AI vs 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子著/東洋経済新報社)
を読んだ感想というか、備忘録です。
私は学生時代から、家庭教師や塾講師として、小中学生、高校生に「勉強を教える」ということを経験してきました。
そのときに、気づいたことがあります。
生徒によっては、正答できない理由が、
そもそも問題文に書かれていることが
読み取れていない。何を聞かれているか理解できないので、
何をどう答えていいのかがわからない
というケースもあったのです。
しかし著者は、それ以前の問題として、
教科書に書かれていることが理解できないのではないか
という疑問を提示しています。
■読解力と偏差値
本書には、「基礎的読解力は人生を左右する」とも書かれています。
読解力テストを受けた高校生の通っている学校の
偏差値を調べた結果から、
基礎読解力が低いと、偏差値の高い高校には入れない
との解釈を導き出しています。
それも当然といえば当然ですよね。
読解力がなければ、
入試の問題文を速く正確に読むこともできないし、
教科書に書かれていることも理解しにくいでしょう。
逆に、読解力があれば、
高校時代、部活に明け暮れ成績が悪くても、
やる気を出せば、偏差値の高い大学に入れてしまう、
と本書は指摘しています。
なぜなら、教科書や問題集を「読めばわかる」からです。
なるほど……妙に納得しました
■読解力を向上させる秘策
人生を左右してしまう「基礎的読解力」。
これを向上させるには、どうしたらいいのでしょうか。
この基礎読解力と、
- 子どもの頃からの読書習慣や学習習慣
- 得意科目は何か
- スマートホンを見ている時間
なども調べてみたものの、
因果関係は導き出せなかったそうです。
著者は、「こうすれば読解力が向上する」という
確かな答えがない限り、いい加減なことは言えない
と書いています。
ただし、読解力の向上に取り組んだ結果、
飛躍的に学力が向上した例はあるようです。
埼玉県戸田市の小中学校の例です。
これについては次回、お伝えしようと思います。
「偏差値=人生」じゃないんじゃないの
そんな疑問についても、改めて~
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