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『AI vs 教科書が読めない子どもたち』

Siriに「イタリア料理のレストラン」と言うと、
いくつかのイタリア料理のお店を教えてくれます。

 

でも、「イタリア料理以外のレストラン」と言っても、
やはり、同じイタリア料理のお店を教えてくれるんです。

 

今後、「以外の」とか「じゃない」とかの語彙を学習させれば、
正しい答えを返せるようになるかもしれませんが、
今の時点では期待した答えが返ってきません。

 

でも、人間の子どもたちにも、似たような傾向があるようです。

 

少し前に話題になった、

 

『AI vs 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子著/東洋経済新報社)

 

によれば、子どもたちの読解力は危機的状況にあるとか。

 

以下に、全国読解力調査の例をご紹介します。

■全国読解力調査の問題例

「Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある」

この文を読んで次の穴埋めをします。

Alexandraの愛称は(     )である。

(1)Alex (2)Alexander (3)男性 (4)女性

 

この問題の正答率は、全国の中学生235人のうち38%。

半分以下です。

正解は(1)ですが、(4)を選んだ子どものほうが39%と
少し多かったようです。

 

なぜ(4)を選んでしまうのかというと、

「愛称」という言葉の意味がわからなかったから

と本書では推測しています。

 

そして、

わからない言葉は読み飛ばす

という習性があるそうなので、

 

Alexandraの愛称は(     )である

 

として、( )に当てはまる言葉を捜すと、
確かに、(4)の「女性」がしっくりきます。

 

 

これではSiriと同じレベルの読解力です。。。

 

 

本書によれば、

 

AIは、文の意味を理解しているのではなく、
数式に従って答えを導き出しているに過ぎないため、
完全に文の意味を理解するのは不可能であろう

 

とのことです。

 

 

でも、人間が、

 

自分のデータベースにない言葉を読み飛ばす

 

ことを続けていると、AIに負けてしまいますね

まぁ、私としては、著書や講演などで、

 

「以外の」という表現は理解しにくいので使わないほうがよい

 

と書いたり話したりしていますので、
「やっぱりね~」と思ったのですが

 

 

以上、久しぶりのブログ記事は、
『AI vs 教科書が読めない子どもたち』
を読んだ感想、備忘録でした。

 

本書は気になることがたくさん書かれていたので、
何回かに分けて書こうと思います。

 

 

 

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