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複雑な解釈を 読み手に要求するのはヤメテー!

今日は、「誤解を招く表現は、悪気がなくてもNG!」の解答・解説です。

問題は、次のようなものでした。

mobaq以下の文章は、携帯電話の料金の説明だと仮定します。

学生割引をご利用いただける方は、お申込日において満23才未満の方または学校教育法に定める学校に在籍する方および入学手続を終えた方で扶養者がいる方となります。

47歳の大学院生(「35歳の高校生」じゃないですcoldsweats01
の私は、割引対象になるでしょうかsign02

 

正解は・・・

 

割引きにならないsweat02

でした(あくまで、この文章の場合です)。

 

この文章は、次の順序で解釈します。

 

【1】「または」のつなぐものを並べてみる

「または」は、 A OR B ですよね。
ですから、学割になる人は、

「満23才未満の方」

OR

「学校教育法に定める学校に在籍する方および入学手続を終えた方で扶養者がいる方」

となります。
つまり、「満23才未満の方」は、年齢だけで学割okなわけですね。

 

じゃあ、23歳以上の人の場合は・・・sign02

 

【2】「および」のつなぐものを並べてみる

「および」は、 a AND b ですね。
ですから、学割になる人は、

「学校教育法に定める学校に」*(「在籍する方」AND「入学手続を終えた方」)

です(「*」は掛け算の「×」)。

 

 x *( a + b )

を展開すると(因数分解の逆)、

 xa + xb

ですから、

「学校教育法に定める学校に在籍する方」AND「学校教育法に定める学校に入学手続を終えた方」

が、学割の対象ということになります。

(たぶん) 

  

ここまでをまとめると、学割になる人は、以下の1~3のいずれかにあてはまる人となります。

  1. 満23才未満の方
  2. 学校教育法に定める学校に在籍する方
  3. 学校教育法に定める学校に入学手続を終えた方

(あくまで、この文章の場合)

 

【3】「で扶養者がいる方」はどうするのか

問題は、最後にくっついている「で扶養者がいる方」の解釈です。

意味的には、選択肢が3つあります。

  • 「3.入学手続を終えた方」だけに係る
  • 「3.入学手続を終えた方」と「2.学校に在籍する方」に係る
  • 1.~3.すべてに係る

23歳未満でも、働いていて収入がある人=扶養者がいない人もいますからね。

さて、困りました。
3つのうち、どれなのか、決めなくては正確に解釈できません。

 

これは、「または」と「および」の”階層レベル”で判断したいと思います。

flair「または」の使い方のルール

  • 「若しくは」は、「又は」とともに用いる場合でなければ用いることができない
  • 階層関係が3階以上になる場合は、「又は」は最も大きい大括弧の接続のみに用い、他の小括弧の接続には「若しくは」を用いる

flair「および」の使い方のルール

  • 「並びに」は、「及び」とともに用いる場合でなければ用いることができない
  • 階層関係が3階以上になる場合は、「及び」を最も小さい小括弧の接続のみに用い、他の大括弧の接続には「並びに」を用いる

『分かりやすい公用文の書き方 改訂版』(礒崎陽輔著/ぎょうせい)より

「または」と「および」の接続機能を考えてみると、

  • 「または」のほうが上の階層、大きいくくりに使われる
  • 「および」は下の階層、小さいくくりに使われる

ようです。

ここから、「および」は結束性が高いと判断されます。
計算式で言うところの「小カッコ」。
「大カッコ」より「小カッコ」を先に計算するのでしたよね。

だから、式にすると、

X=[ A OR B ]

B = x *(a + b)* y

よって、

X=[  A OR   x *(a + b)* y  ]

 

ここに言葉を代入してみると、

学生割引をご利用いただける方=

[ 満23才未満の方 OR  学校教育法に定める学校 * ( 在籍する方 and 入学手続を終えた方 ) * 扶養者がいる方]

 

つまり、学割になる人(あくまで、この文章の場合)は、
以下の1~3のいずれかにあてはまる人となります。

  1. 満23才未満の方
  2. 学校教育法に定める学校に在籍する方で、扶養者がいる方
  3. 学校教育法に定める学校に入学手続を終えた方で、扶養者がいる方

(たぶん)

 

・・・「たぶん」を連呼しているのは、
「正解は、書いた人に聞かないとわからない」からです。

書き手が、「または」「および」といった法律用語を、
法令文あるいは公用文のルールで
使っているのかどうかは、わかりません。

この条件でプログラミングをするとしたら、
条件分岐が正しいかどうか、確認しないと、
正確な結果が返ってこないですものね。

条件分岐はこんなdownwardleftカンジかな・・・coldsweats01

Flowchart

それに、「扶養者がいる方」って表現も、紛らわしいですよね。

「自分を扶養してくれる人がいる」という意味か、
「自分を扶養してくれる人が必要だ」という意味か、
「自分が扶養している人がいる」という意味か。

文脈から「オトナの判断」をしているにすぎません。

 

はぁ・・・
この記事を読んでくれた方は疲れたと思いますが、
書いた私も、疲れた dash

 

長くなりましたが、こういう複雑な解釈を
読み手に要求するのはヤメテ
よね・・・sweat02
ってことが言いたかったわけです。

 

もっと簡単な例もあるので、こちらdownwardleftもご覧くださいな。

club無意識に使っている専門用語 ―お客様にはわかりません

(最初っからそれを書けよ!って話ですねbleah

 

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