修士論文が連載記事に♪
昨年、12月に提出した修士論文の内容を公開すべく、『地方行政』(時事通信)で連載を始めました。
お題は、論文の表題そのもの。
「文章表現の適切さが自治体ウェブサイトに与える影響」です。
概要は以下のとおりです。
はじめに
2年ほど前、当誌で『自治体のためのウェブサイト改善術』を連載させていただいた。筆者は、連載記事の執筆と並行して、大学院でウェブサイトの文章についての研究を進めており、昨年12月に修士論文を提出することができた。そこで、この場を借りて修士論文を公表させていただくこととなった。
修士論文には、当誌での連載記事と重複する部分もあるため、そこは割愛する。逆に、説明が不足する部分は適宜補いつつ、10回程度に分割してお伝えしたい。
研究の概要
地方自治体は、市民に最も身近な行政組織であり、発信する情報が市民生活に与える影響は大きい。しかし、自治体のウェブサイトはわかりにくいと評されることが多く、その結果、市民に不快感を与えるだけではなく、生命と財産に損害を与える恐れもある。
自治体サイトのわかりにくさは、(1)情報の見つけにくさ(2)情報の網羅性の低さ(3)文章表現のわかりにくさといった問題があり、情報の見つけにくさのうち、アクセシビリティについての取り組みが始まっているものの、ユーザビリティ、情報の網羅性の低さについてはほとんど認識されていない。文章表現のわかりにくさについては、公用文・法令文に関する規程があるのみで、学術的見解や企業による取り組みとは視点が異なる。
そこで本研究では、自治体サイトをわかりやすくするための文章表現について考察し、「自治体サイトがわかりにくい要因として、サイト構造などの要素以外に、文章のわかりにくさの影響もある」という仮説を立てた。仮説検証のため、学術的見解と企業の取り組みを取り入れ、自治体文章を理解しやすく改善するガイドラインを作成し、ガイドラインに沿って文章を書き換えたウェブサイトを使って実験を行った。
第1回 自治体サイトのわかりにくさの現状
はじめに
研究の概要
1章. 研究の背景
1.1.自治体公式ウェブサイトのわかりにくさ
1.1.1. 情報の見つけにくさ
1.1.2. 情報の網羅性の低さ
1.1.3. 文章表現のわかりにくさ
1.1.4. 自治体サイトがわかりにくいことによる弊害
第2回 自治体サイトのわかりやすさ向上の取り組み
1.2. わかりやすさ向上のための既存の取り組み
1.2.1. アクセシビリティに関する取り組み
1.2.2. ユーザビリティに関する取り組み
1.2.3. 標準メニュー化に関する取り組み
1.2.4. 文章表現に関する取り組み
1.2.4.1. 行政の取り組み
2012年6月7日号から、木曜隔週連載。
次回は7月5日号です。
お楽しみに
『地方行政』とは
発行:毎週月・木曜日発行(祝日を除く)
体裁:B5判 20ページ
内容:
“地域経営”に不可欠な深い分析、解説―「連載」「特集」
現場で奮闘するリーダーたちからの熱い提言―「道標」
自治体幹部、中央省庁や政党、民間企業、研究者など地方行政関係者必読です。
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