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なぜ「放送大学」「大学院」だったのか

放送大学大学院で、修士論文を提出し、なんとか審査に合格しました。

ここで、

  • なぜ、「大学院」だったのか
  • なぜ、「放送大学」だったのか

について、書き留めておきたいと思います。

 

■なぜ、「大学院」だったのか

Facebookで見つけた「新型うつ病」に関するリンクのシェア。
頚性神経筋症候群(Cervical Neuro Muscular Syndrome)」に関して、こんな記述がありました。

医学論文を書く暇はないけれども、マスコミの取材を受ける余裕はあるようだ。実際には、論文に書けるような医学的根拠がないというところだろう。マスコミや素人を相手にするなら騙せるが、専門家を騙すことはできない。

そこなんですよね。私がこだわったのは。
客観的な根拠=学術的な根拠ととらえ、
誰もが認めざるを得ないものを作りたかったんです。

 

「そんなに学歴が欲しいのか」と言った人もいましたが、そういうことではないんです。

そもそも、もう47歳になろうというのに、学歴を振りかざして何の役に立つんでしょう

 

■なぜ、「放送大学」だったのか

放送大学は有名ではあるけれど、「本当の大学ではない」という発言もあるほど、「低く見られている」ようです。

 

確かに、入学試験の難易度や、偏差値などは低いのかもしれません。わかりませんけど。

それは「大学」の話で、私が在籍しているのは「大学院」ですが、いずれにせよ、私なんかが入学できて、卒業できるんですから、偏差値は低いかもしれませんね。

(でも、ゼミのお仲間は、ものすごく優秀な方ばかりでした)

(&臨床心理系の学部は難関らしいですよ

 

ただ、私は「有名校」の肩書きが欲しかったわけではないので、そんなことはどうでもよかったんです。

ただ単に、私がやりたかった研究を、私のペースで(私の予算で)できるところが、放送大学大学院しかなかったんです。

 

私は文学部出身ですが、情報科学や自然言語処理に近いところに興味があり、でも、そういった「理系」ちっくな能力が皆無で

私が所属しているのは、「放送大学大学院文化科学研究科文化情報学プログラム」です。
文化&科学。文化&情報学なんですよ。
これでわかりますよね?

 

■放送大学大学院の良いところ

  1. 多彩な講師陣
  2. 親切丁寧な指導
  3. 学習の環境(メディア)が充実している
  4. 自分のペースで研究を進めることができる
  5. 学費が信じられないほど安い

有名大学にこだわるなら、東大の先生もたくさんいらっしゃいますよ。
Web関係の方は、ユーザビリティの権威、黒須正明先生のレクチャーを直接、受けたくないですか。

 

私の場合、2人の先生にご指導いただいていたので、ゼミが月に2度ありました。
それぞれに違った切り口からのご指導をいただき、それぞれに仲間がいて・・・本当に充実していました。

社会人大学院生だと、どうしても仕事との両立が難しく・・・そういう意味では、ゼミがペースメーカーにもなっていました。

(先生には、週の半分は研究活動に割くように」と言われていましたが、実際、なかなか難しく、ゼミの日と、その準備に1日。合計で月に4日ほどしか割けませんでした

 

■放送大学大学院を目指す方へ

社会人大学院生は、とにかく仕事との兼ね合いが難しい。
そこで、ゼミの仲間に教わったのですが(入ってからじゃ遅いよ)、「事前学習」がおススメです。

その方法は次の2つ。

  1. 科目履修生として、事前に必要単位を取っておく
  2. 事前に書店でテキストを購入し、学習しておく

なるほどね~と思いました。
私って、なんてトロくて無謀なのかしら、とも

 

学校歴より学習歴だと私は思っています。
また、学ぶことに期限はありません。

放送大学・大学院のみなさん、学習・研究を楽しみましょう。

 

私は、バスケットの田臥勇太さん(日本人初のNBAプレーヤー)の、この言葉が大好きです。

Never Too Late!

 

 

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コメント

小田さん はじめまして。

私は先日、口頭試問を無事終えたところです。

「>私がやりたかった研究を、私のペースで(私の予算で)できるところが、放送大学大学院しかなかった」

と言うところに本当に共感を覚えます。

また、私も入学が決まった時に同じく周囲からとやかく言われたのですが、当時45歳で修了して47歳。

本当に「>もう47歳になろうというのに、学歴を振りかざして何の役に立つんでしょう」でした。

類似する経験をお持ちの方がいらっしゃるとは夢にも思いませんでした。

教授からは「胸を張ってください」って言われているのですが、それまでに学外で色々とガッカリさせられる言葉の暴力に遭っており自信が持てませんでした。しかし、このブログで勇気づけられました。

胸を張って頑張ります。
すばらしいブログをありがとうございます。

投稿: | 2018/01/17 10:55

小田様

初めまして。
放送大学について調べておりましたら、このページにたどり着きました。。

私は、この春から放送大学大学院で科目履修予定です。ここにたどり着くまで10年近くかかりました。
でも、小田様の記事を読み、より決心が固まりました。
研究テーマもほぼ決めています。

家庭・仕事との両立は大変だとは思いますが、大学も通信だったので、やれるだけやってみます。
ありがとうございました。

投稿: まなむ | 2016/01/24 23:48

>やっこサン

元気が出るコメント、ありがとうございます

ちょうど今、さらに研究を続けようと、無謀なチャレンジをしているところでした。

お互い、がんばりましょうー

投稿: 小田順子 | 2013/01/18 03:40

約1年ほど前の記事ですが、放送大学院 論文で検索して、読ませていただきました。

私は短大で演劇を専攻していたのですが、卒業後はプロを目指さず、普通に会社で働きながらアマチュアで演劇を続けていました。短大卒業直前に、より日常に即した生き方をしたいと思った上での選択でした。

そして年数を重ねるにつれて、世の中が変わりやたらとコミュニケーションが重視され、演劇が登場する機会が増えてきました。特に企業研修に演劇を取り入れる試みが最近では増えつつありますし、私自身もそういった活動に関係しています。

そこで、日常(社会)と演劇の繋がり、関わり、交わりについて研究したい!というテーマが見つかり、今年4月から放送大学に進学することにしました。

小田さんのように専門家として実績も十分で活躍されている方でさえ、「客観的な根拠=学術的な根拠のとらえ、誰もが認めざるを得ないものを作る」ことを目指し、また実現するには、大学院の知名度云々ではなく、実現できる大学院として放送大大学院に進学されたのは、とても励みになりました。

今の世の中、あまりにも「なんちゃって」が増えていると感じます。「その根拠は?」と思うことが多々あります。本を出したり講演会をしたりする人が言うことが、果たしてホンモノなのか?と思うことが多々ありました。

私が目指す演劇を企業や教育に取り入れる分野も、定義がはっきりしておらず感覚で行いがちな分野なので、言葉は悪いですが、適当なことを言うことは可能です。

でも私自身は、そのようなことに自分自身がなりたくないと思ってます。だから、まず学士を取得した上で院で研究し、学術論文を書くことが出来たら・・・と思ってます。根拠がなければ、信頼を得ることができないですから。

この記事はすごくいい記事だと思うので、フェイスブックでも紹介させていただきます。

投稿: やっこ | 2013/01/16 23:18

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