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Twitter VS Face book―顔の見える、深く濃いお付き合い

■自治体のFace book利用状況 ―岩手県が災害情報の発信に活用

 Twitterが東日本大震災で活躍したことは、連載第14回(5月号)以降、ご紹介してきたとおりです。 では、Face book はどうだったのでしょうか。

 そもそも、大災害が発生した2011年3月11日以前からFace book を利用していた自治体は、私の知る限り三つしかありません。一番乗りは長野県小諸市でしょうか。次に岩手県広聴広報課、佐賀県武雄市と続いています。(※1)

 このうち、甚大な被害を受けた岩手県は、地震発生日以降の投稿数が激増しています。県の公式サイトは、停電や急激なアクセス増加により、情報発信することができなくなったためです。TwitterとFace book で情報を迅速に発信し続けた結果、ファンも増えたようです。

※1  Face bookページ開設年月日ではなく、ウォールへの投稿年月日の早い順に掲載した。ウォールとは、利用者本人とその「友達」の投稿が一覧表示されるページを意味する。

■Face bookとTwitterの比較 ―岩手県広聴広報課の発信内容

 Face book はTwitterとどこが違うのでしょうか。震災発生時、両方のツールを活用していた岩手県広聴広報課の発信内容を比較してみましょう。

 図1はTwitterでの発信内容です。避難状況などに関する情報は、多くの人にリツイートされていることが分かります。一方、図2はFace bookでの発信内容です。Twitterでツイートした内容をコピーしてFace bookの投稿欄に貼り付け、配信していたそうです。その逆もあったようですが、大きな違いは、以下の3点です。

  1. Twitterは、RT(リツイート)機能で瞬時にたくさんの人に情報を伝えることができる(図1)
  2. Twitterは文字数制限があるため、一度に発信できる情報量に限りがある
  3. Face book はリンク先の画像や文章の一部を自動的に表示する機能があり、視覚に訴えること ができる(図1と図2は投稿内容が同じ)

図1 岩手県広聴広報課のTwitter 画面と拡散される岩手県広聴広報課のツイート

P1

図2 岩手県広聴広報課のFacebookページの画面(投稿内容はTwitterと同じ)

P2

■Face bookの利点 ―深く濃いコミュニケーション

 Face bookには、TwitterのRT機能のように、瞬時に情報を拡散する機能がありません。では、利点はどこにあるのでしょうか。

 まず、視覚に訴えることが得意なツールということが挙げられます。リンク先の画像や文章を自動表示できるほか、投稿した写真、動画も表示されます(※2)。また、投稿とそれに対するコメントを一緒に表示してくれるので、やり取りを一覧できます(図3)。岩手県の投稿には、その内容を外国語訳したコメントをつける人が複数、存在しました。勝手翻訳ボランティアといったところです。

図3 宮城県村田町と兵庫県多可町のやりとり

P3

※両町長から許可をいただいて掲載しています

 次に、深く、濃い付き合いができるということも利点の一つです。Twitterは、見ず知らずの多くの人と「ゆるく」つながるツールであるのに対して、Face book は逆なのでしょう。実名登録が義務付けられている上、「知らない人と友達登録をすること」を良しとしていません。友人、仕事上でお付き合いのある人など、リアルな世界での知り合い同士でつながることを前提としたツールです。顔の見えるお付き合いをし、深く濃いコミュニケーションをとる には、Face book のほうが向いているようです。

※2  Twitterを利用するには、Twitter社が提供しているツール(クライアント)のほかに、「hootsuite」や「ついっぷる」、「モバツイ」など多数のツールがある。異なるツールで閲覧した場合、投稿写真などは画像ではなくURL表示になる。

■顔の見えるお付き合いが功を奏す ―宮城県村田町長の「友達」

 3月11日の地震発生後、1時間ほど経ったころから、宮城県村田町の佐藤英雄町長がTwitterとFace bookで断続的に情報を発信しています。22時過ぎに、兵庫県多可町の戸田善規町長が、「何か支援はできませんか」とコメントをつけ、翌12日に、毛布と非常食を手配したことを投稿。13日には佐藤町長が受入場所を伝え、物資を乗せたトラックが出発しました(図3)。ほかの連絡手段がなかったようで、その後もFace bookだけで受入場所などのやり取りをされています。

 お二人は震災以前からFace book の「友達」登録をし、頻繁にコメントをつけあっていました。日ごろからの「友達」付き合いが功を奏したといえるのではないでしょうか。

 地震が起きた時、何を思い浮かべましたか。家族や友人などの「顔の見えるお付き合いをしている人」が無事かどうか、真っ先に考えませんでしたか。

小田 順子 プロフィール

1965年生まれ。1992年4月、東京中野区に入区。区立小学校、国民健康保 険課、情報システム課、広聴広報課、保健所を経て、2007年3月退職。現在は広報コンサルタントとして、自治体、公益団体、NPO法人や士業事務所など 公益性の高い組織・個人を支援。 日本言語学会会員。日本災害情報学会会員。放送大学大学院修士課程文化情報プログラムに在籍

※この記事は、地方自治情報センター発行『月刊LASDEC』平成23年9月号に執筆した記事をHTML化し掲載しています。掲載に当たっては、地方自治情報センターの承諾のもと掲載しています。

 

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