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Twitterの活用 ―東日本大震災で威力を発揮

■自治体のTwitter活用
 ―利用目的を明確に

 Twitterはミニブログのようなものです。投稿できるのは140文字まで。使い方は人それぞれですが、自治体が利用する場合には、上手に活用したいものです。そのためには、利用目的を明確にすることが大切です。

 自治体がTwitterを利用する目的は、次の3つが考えられます。

  1. 情報発信
  2. 情報収集
  3. コミュニケーション

 これは、前回の「ソーシャルメディアの活用」でお伝えした、ローカルガバメント1.0、2.0、3.0にも対応しています。それぞれ、具体的な活用法を考えてみましょう。

■情報発信ツールとして使う
―ターゲットごとのお役立ち情報

 今、起きた、何を食べた、見た、どこへ行った…と記録していく日記的な使い方は、実はブログ本来の使い方なのでしょう。ただし自治体の場合は、公式サイトやブログの更新履歴になってしまいがちです。連携アプリを使って自動投稿すれば手間がかかりませんが、記事タイトルとリンクがずらっと並ぶタイムラインにはあまり魅力を感じません。

 もし、このような「お手軽ツイート」をするのであれば、ターゲットをセグメント化し、配信する情報も厳選するとよいでしょう。例えば、「小学生以下のお子さんのいる家庭」とターゲットを設定し、夜間・休日の当番医、地域の不審者や事故の情報、親子で参加できるイベント情報などを発信すると役に立ちますよね。ターゲットごとに複数のIDを使い分けている自治体も見かけます。成果指標としては、RT(リツイート)の多さを挙げることができます。

■情報収集ツールとして使う
―声なき声を聴く

 情報発信より優先順位が高いのが情報収集です。どんな人がどんなことを考え、どんなことに悩み、どんなサポートを必要としているのかが分からなければ、相手の役に立つ情報が何かも分からないと思いませんか。やみくもに情報発信をしても、効率が悪く、成果も期待できません。

 実はTwitterは、情報収集に適しているツールです。その手軽さから、ちょっとした思いを気軽に投稿できるからです。「早速たらい回し!(*`へ´*) だから役所は嫌いだ」、「役所の人の時間に合わせて行動させるのってどうなの?終わったら俺仕事だよ?少しは合わせてくれても良いんじゃない??」(実際のツイートです)など、住民が役所の窓口で飲みこんだ言葉も知ることができます。

 これは、「twilert」(http://www.twilert.com/)という無料ツールで、Twitterで指定したキーワードが発言されるとメールで知らせてくれるものです。私は「自治体 文章」などのキーワードを登録し、毎日午後2時に配信されるように設定しています。図のように、Twitterでしか知りえない住民の声も拾えます。

図「twilert」で送信されるメールの例

Twi

時間とお金(税金)をかけて、アンケートなどを実施するなら、こういったツールを使ったほうが安価で、効率的に「声なき声」を聴くことができます。

■コミュニケーションツールとして使う
―ファンを増やす

 前回も触れましたが、「ローカルガバメント3.0」では、<対話を通して情報を共有し、共感を得てお互いに好感を抱く>ようなコミュニケーションが求められます。「対話ツール」として利用し、良い意味で「からむ」ことで、<職員の山田さんが好きだから、○○市役所に好感を持つ>といった「ファン」を増やしていけるのが理想です。成果指標としては、Re(リプライ)やRT(リツイート)、QT(引用)を含むmention(言及)の多さでしょうか。

 実際、全職員がTwitterのIDを取得した佐賀県武雄市では、「一職員と一市民」ではないコミュニケーションが生まれているようです。営業部観光課・がばいばあちゃん課職員へのインタビュー記事によれば、実名でプライベートなことも含めてツイートしてきた結果のようです。これは、日経ビジネスオンラインのコラム「フェイスブック(市役所)革命」に書かれていたこと(※1)で、Twitter上の佐賀県武雄市長のツイートで知りました。

※1 日経ビジネスオンライン「全職員にツイッターのアカウントを配布した」(2011年3月2日掲載)

 ファンがたくさんいる人が「スター」です。自治体職員は、スターになる必要はありませんが、関わった方、特に住民には愛される存在であってほしいと思います。相手に好かれるには、自分が相手を好きになることです。そしてそれ以前に、コミュニケーションをとることが必要です。

■「東日本大震災」
―災害時のTwitter活用

 3月11日の東日本大震災では、Twitterがその威力を発揮しました。発災直後は電気も止まり、Twitterどころではなかったかもしれませんが、それはテレビなどのメディアも同じでしょう。携帯電話やスマートフォンを使って、停電や運休、物資の不足、被害状況、安否確認の情報、ときには「助けて!」という救助要請までがツイートされました。報道機関が取材できないミクロの情報を拾うことができ、たくさんの人の役に立ったようです。

 その様子を知り、新たにTwitterのIDを取得する人も増えています。自治体も地震でフォロワーが増えたのではないでしょうか。匿名で利用できるTwitterは、情報の信頼性に不安があります。その点、自治体のツイートは信用できるのです。住民の利便性を考えると、自治体は様々な情報発信の手段を用意すべきです。ぜひ、Twitterを活用していただきたいと強く思いました。

 ツイートのコツや運用のヒントは、本誌平成23年3月号「Twitterで行政情報や地域の魅力を発信」(北海道陸別町の記事)を参考にしてください。「イベント周知だけでは効果がない」「双方向性のゆるいつながり」「フォロワー数競争は無意味」など、示唆に富んだ内容となっています。ツイートの書き方は、拙著『公務員のための文章・メール術』(学陽書房/2011年5月18日発行・オンラインショップで予約受付中)で詳しく解説していますので、ご一読いただけるとうれしいです。

 

小田順子プロフィール

1965年生まれ。1992年4月、東京中野区に入区。区立小学校、国民健康保険課、情報システム課、広聴広報課、保健所を経て、2007年3月退職。現在は広報コンサルタントとして、自治体、公益団体、NPO法人や士業事務所など公益性の高い組織・個人を支援。 日本言語学会会員。日本災害情報学会会員。放送大学大学院修士課程文化情報プログラムに在籍

※この記事は、地方自治情報センター発行『月刊LASDEC』平成23年5月号に執筆した記事をHTML化し掲載しています。掲載に当たっては、地方自治情報センターの承諾のもと掲載しています。

 

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