気になる敬語「ご質問がございます」
敬語の使い方、とっても難しいですよね。
私は敬語を「何となく」使っていて、あまり厳密に考えていないのですが、それでも時々、とっても気になる言葉があります。
ご質問がございます
気になるぅ~
よく、研修の最後に
ご質問はございますか
などと講師が聞きますよね。
あれは、「質問するのは参加者、質問されるのは講師」なので、質問するという動作に「ご」をつけて、動作をする人に敬意を表しているのです。
※ここですでに「イミフ」(意味不明)という方は、拙著「言いたいことが確実に伝わるメールの書き方」(明日香出版)をお読みくださいませ~
でも、「ご質問がございます」だと、質問する(疑問を持っている)のは自分なので、「私があなたにご質問をする」・・・つまり、自分で自分に敬意を払っている感じにもなってしまいます。
「ご」を美化語と考えればいいのかもしれませんが、私はなんだかヤだな
「ワタシのお洋服」、「ワタシのお勉強時間」的な。
こういう口うるさいオバサン、オジサンに対しては、使わないほうがいい表現だと思います。
※「美化語」については、拙著のP.103・104をお読みください
ここは、
- 質問がございます
と書くか、または、
- お聞きしたいことがございます
- おたずねしたいことがございます
- 教えていただきたいことがございます
などと表現すればいいのではないでしょうか。
また、メールのタイトルが「ご質問」はいただけないです。
誰が誰に質問するのかわかりません。
「ご」がついていると、「私、あなたに何か質問したっけ?」と疑問に思います。
そもそも「質問」という語がふさわしくない感じがします。
なんでだろう?と思って調べたら、広辞苑に
質問
疑問または理由を問いただすこと
と書いてありました。
授業やセミナー以外で「質問」という言葉を使うと、違和感があるのはそのせいか・・・。
ちなみに、敬語を「使う」のか、「遣う」のかについては、広辞苑に
広く一般には「使」を用いる。
心をあれこれ働かせる、技や術を巧みに操る意のとき「遣」も用いるが、動詞形では、「気遣う」以外は「使」がふつうになっている。
とあります。
気になる敬語がいっぱいあるので、
シリーズ化しようと思っています
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コメント
>しんめい先生
コメントをいただき、ありがとうございます。
「ダメ!とは言わないけど、気になる」
シリーズをぼちぼち書いていきま~す(笑)
投稿: CSMSライター:小田 | 2011/02/27 15:54
使うと遣う・・・。
なるほど!勉強になりました。
敬語のシリーズ化、楽しみにしています。
ポチッ!
投稿: しんめい | 2011/02/27 10:42