« SEO ( 検索エンジン最適化 ) のスターターガイド―Googleさんからのメールより | トップページ | ページ別アクセスランキング 【2010年9月】 »

「お」と「ご」(御)の使い分け ―「ご返事」「ご約束」?

」の読み方は「」と「」どちら?

漢語についたら「」、和についたら「」が基本です。

漢語とは、漢字を音読みする言葉で、
和語は訓読みをするもの。

例えば、ご案内とお知らせ、ご依頼とお願い・・・
といった使い分けですね。

重箱読み(音読み+訓読み)の場合は、
最初の1文字が音読みなので、「ご」。
湯桶読み(訓読み+音読み)は「お」。

 

な~んだ簡単

 

では、「お返事」、「お約束」は間違いで、
ご返事」、「ご約束」が正解なのでしょうか。

 

ルールに従えば「間違い」なのでしょうね。
ただし、言葉には「慣用」という観点も大切。
正誤を云々するだけでは、本来の目的、
意思疎通が難しくなる局面もあるでしょう。

そういった意味で、興味深いページを見つけました

 

「お」「ご」の使い分けについてのアンケート調査です。

大修館書店が708人に調査をした結果、

  • ほとんどの人が「お」または「ご」の一方のみを使うもの
    お人柄  98.7%、お一人  98.1%、ご記入  96.8% など
  • 「お」「ご」のどちらかが圧倒的に優勢というのでなく、ゆれが見られるもの
    お返事  53.6%ご返事  22.6% など
  • 「どちらでもよい(場面によって使い分ける)」を選んだ人が多いもの
    「お返事/ご返事」のどちらでもよい(使い分ける)     23.8% など

ということに・・・。
やっぱり人それぞれなんですよね~
多数決だと「お返事」ですね。。。

う~ん、でも正解があるなら知りたい

 

実は、「お」「ご」の使い分けの原則から
外れるものがあります。

  • 漢語=お礼状・お加減・お食事・お時間
     →漢語だが、「お」を付けることが多い    
  • 和語=ご入り用・ごゆっくり
     →和語だが、「ご」を付けることが多い

これについて、北原保雄先生(『明鏡国語辞典』の編者)は、

よく使われて日常的になっている語は、漢語であっても、「お」になることが多く、「礼状」「加減」「食事」「時間」「返事」などが「お」になるのは、これらの語が親しみやすい日常語で、和語とあまり変わらない使われ方をされる語だからです。

……と分析されています。

「明鏡 日本語なんでも質問箱」(大修館書店)より

 

北原先生は、「お返事」は間違い!
とはおっしゃっていませんね。

 

ちなみに、文化庁の文化審議会は
次のように説明しています。

 

「お」と「御」

「お」あるいは「御」を付けて敬語にする場合の「お」と「御」の使い分けは,「お +和語」「御+漢語」が原則である。

【「お+和語」の例】

  • 「お名前」「お忙しい」(尊敬語)
  • 「お手紙」(立てるべき人からの手紙の場合は「尊敬語」,立てるべき人への手紙の 場合は「謙譲語I」) 「お酒」(美化語)

【「御+漢語」の例】

  • 「御住所」「御立派」(尊敬語)
  • 「御説明」(立てるべき人からの説明の場合は「尊敬語」,立てるべき人への説明の 場合は「謙譲語I」)
  • 「御祝儀」(美化語)

ただし,美化語の場合は,「お料理」「お化粧」など,漢語の前でも「お」が好まれ る。また,美化語の場合以外にも,「お加減」「お元気」(いずれも尊敬語で,「お+漢語」の例)など,変則的な場合もあるので,注意を要する。

「敬語の指針」(文化審議会答申)より
(↑リンク先はPDFファイルです)

 

「お返事」と「ご返事」、「お約束」と「ご約束」は
例になかった!残念!

 

で、結論は・・・・・・人それぞれなので、
時と場合によって使い分けましょう

 

 

ぽちぽちっと2つ、応援クリックを

にほんブログ村 
本ブログ 編集・ライター・書店員へ 「CSMSライターが日本語を考える」から人気ブログランキングへリンクしているバナー 

 

| |

« SEO ( 検索エンジン最適化 ) のスターターガイド―Googleさんからのメールより | トップページ | ページ別アクセスランキング 【2010年9月】 »

言葉・文章の書き方・広報・日本語」カテゴリの記事

ビジネスメール」カテゴリの記事

気になる言葉」カテゴリの記事

コメント

コメントをいただき、ありがとうございます。

なるほど!
確かに、そうですね。

そうなると、例えば「お返事をください」なんて書いてしまったら、「子ども扱いされている」と思われてしまう恐れもあるでしょうか・・・それは困りますね

投稿: 小田順子 | 2017/09/02 18:17

「お返事」って子どもに使うような気がする。
「良いお返事ね」「お返事しましょうね」

投稿: | 2017/09/02 14:57

この記事へのコメントは終了しました。

« SEO ( 検索エンジン最適化 ) のスターターガイド―Googleさんからのメールより | トップページ | ページ別アクセスランキング 【2010年9月】 »