行政マンの文章術―言葉力、仕事力を高める
『行政マンの文章術―言葉力、仕事力を高める 』(伊藤 章雄 (著) 学陽書房 (2003/12))を読みました。
行政「マン」というタイトルからして古い本(今は「行政パーソン」です。「マン」では、差別用語と言われてしまいます・・・)。
公務員じゃないみなさんにとっては興味のない内容かも。
いや、カスタマーレビューを見ると、行政内部からの感想もひどい内容でした。
仕事がら公用文を書く必要があるので書名だけみて買ってみた。くだらない例ばかり多くてなんの役にもたたない。一通り読んだ後でゴミ箱に捨てた。
確かに、小説など文学的な文章を例に挙げていることが多いので、役所の方が読んだら辟易するのもわかります。
「公用文の書き方のルール」、つまり、漢字の使い方とか句読点の打ち方とかを知りたいのであれば、『分かりやすい公用文の書き方』を買ったほうがいいです。
でも、脱藩組の私は「おもしろかった」
以下におもしろかったところを抜粋します。
最近の傾向は、中学生でもわかる平明な文章が好まれる。漢字が三割程度混じっている文章が読みやすい。
かつて、東京都の公式文書は漢文脈で役所の権威を示した。これを誰にもわかる口語文脈に変えたのは、知事のブレーン、政策室長をつとめた作家の童門冬二氏だ。文章を媒介にした都庁の文化革命であった。以後、都民と都政の距離はぐんと近づいた。
「小説 上杉鷹山 全一冊 (集英社文庫) 」など、童門冬二さんの歴史小説は、実は都庁職員をモデル・・・ネタにしているといううわさがあります。
読んでみると、確かに「この登場人物はあの人だ」と思うことがありました。
で、話がそれてしまいましたが、わかりやすい文章について。
言葉数を増やすほど意味の曖昧さが増える。誤解や別解釈の余地が生まれる。権威ぶったり、名文を気取ったりせずに、もっと住民、国民との距離を近づける短い文章にする。読む人の負担を減らした簡潔な文章を書くべきだ。公務員世界の体質改善は文章改革から始めるのがよい。
行政はそれなりに複雑なので、書いても書いても書き尽くせない部分はあります。
書けば書くほどドツボにはまる・・・というわけですね。
さらに、丁寧に書こうとして、同じことを繰り返し書いてしまう恐れもあります。
ダブりは書くのに二倍の労力を使い、読む側には二分の一の内容しか届かない。文章のエネルギーが四分の一に薄まるのだ。
おぉ・・・そりゃそうだ
陶芸でもうまい人ほど粘土の使用料が少ないという。同じサイズの器を作る場合、未熟な人は粘土の使用料が多い。出来上がった器も重い。
へぇそうなんだ
今度、お知り合いの陶芸家さんにきいてみよっと
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