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引用と著作権

著作権については誰しもわかっていることだと思いますが、今後、執筆予定の記事のためにまとめてみました。

著作物が創られた時点で「自動的」に付与するのが,国際的なルールとされています(権利取得のための「登録制度」などは禁止)
「著作権テキスト~ 初めて学ぶ人のために ~」平成20年度文化庁長官官房著作権課より →役所にありがちな、恐怖のPDFです。私はうまくアクセスできず、全文は見られなかった・・・)

でも、登録制度がないし、細かいところがわかりにくくて、ルーズになってしまうこともありますよね。

とはいえ、最高で1億円の罰金が科せられる著作権法違反。今日は、私のクライアントに向けて、具体的な注意事項を。

 

まず、基本的に、ウェブなどで公開されている情報を「引用」するのは著作権法違反にはならない。

ただし、

文化庁によれば、適切な「引用」と認められるためには、以下の要件が必要とされる。

  • ア 既に公表されている著作物であること
  • イ 「公正な慣行」に合致すること
  • ウ 報道,批評,研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること
  • エ 引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
  • オ カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること
  • カ 引用を行う「必然性」があること
  • キ 「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)

文化庁 (2008, §8. 著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合 ⑧ ア、「引用」(第32条第1項))

(文化庁のPDFファイルは、真っ白になったりエラーになったりでアクセスできなかったので、Wikipediaから引用)

(他省庁ではアクセシビリティを謳いながら、こんな大事なコンテンツはアクセシビリティ無視。参った・・・。)

でも、新聞社などは、この引用すら禁止している模様。

「ネットワーク上の著作権について―新聞・通信社が発信する情報をご利用の皆様に」1997(平成9)年11月6日第564回編集委員会(社団法人日本新聞協会)をご覧ください。
イマドキ珍しい、フレーム使いのサイトで見にくいですが。

ましてや、記事をスキャンしてウェブに掲載・・・なんて、許可なくやってしまってはダメでしょうね。

役所にいた頃も、広報課が自治体に関係のある記事を庁内LANにあげることもご法度でした。
毎日、各社の新聞を置いて、区民に自由に読んでいただくのも禁止。

 

当然のことながら、他人の書いたウェブページの文章を、ちょっと変えて掲載するのは、引用でも何でもなく、明らかな著作権法違反。

そういうのはなかなか見つけづらいですが、見つけた時の対処方法は3つ。

  1. 差分チェッカー「差分クン」で「真似っこ度」を検証
  2. そのサイトと、真似をされているサイトの更新日時を比較
  3. ウェブ魚拓」や「Internet Archive:WayBackMachine」で証拠を押さえる

差分チェッカーは、次のような結果を返してくれます。

Sabun

これは、私の作成したサイトと、それをコピーしたと思われるサイトの差分を求めたものです。
赤字が追加部分で、青字が削除部分ですね。

Sabun2

こちらは、私が作成したチラシと、それを見て作ったと思われるチラシとの差分を求めたものです。

紙のチラシなので、それを見ながらタイピングしたんですね・・・だから、サイトの模倣よりも文言の変更がたくさんあります。

 

サイトの更新日チェックは、今、見ているページのアドレスバーに、以下のおまじないを入力して「Enter」キーを押す(ただし、IEのみ)。

javascript:alert(document.lastModified)

すると、ダイアログボックスが現れて、

真似されたサイト:http://www.yakushoya-honpo.com/setsuritsu.html

01/06/2010 04:17:51

真似したサイト:○○○

02/08/2010 02:25:33

と表示してくれる。

 

「ウェブ魚拓」は、「キャッシュ」が消えても残るそうな。

「Internet Archive:WayBackMachine」は例えばこんな感じで、ページの更新履歴が追えます(→このネタは、追記です)。

Wayback

(げっ更新してないのバレバレ

裁判沙汰になった時に、証拠として採用されるか否かは定かではないが・・・。

 

この辺の技術を使って、GoogleさんやYahoo!さんなども、「ミラーサイト」(重複コンテンツ)を判断しているかもしれないですね

追伸

ブロガーが知っておきたいブログ著作権」は、ブログ関連の著作権について、詳しく、わかりやすく解説しています。ご一読あれ

 

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