CSMS的ブックレビュー ―文章は3分以内にまとめなさい
『3分以内に話はまとめなさい できる人と思われるために』(高井伸夫著 かんき出版)を読みました。
話や文章は、短いに越したことがないのは誰しも異論がないと思いますが、高井弁護士いわく、「3」には深い意味が隠されている、と。
「3」は「たくさん」という概念の最小数字。「ひとつ、ふたつ、いっぱい」です。
確かに、「三人寄れば文殊の知恵」とか「仏の顔も三度まで」とか、ことわざもたくさんありますね。
3分間だと、ゆっくり話して800字、やや早くて1100字だそうで、この本のまえがきも1100字程度におさめているところにハッとさせられました。
でも、気持ちを相手に伝える場合、言語が占める伝達量はわずか7%に過ぎず、一番伝達できるのは「表情」(55%)で、次が「声の調子」(38%)なのだそうです。
文章だけで表現するライターという職業は、この7%で勝負する厳しい世界なのですね。
しかし、さすが弁護士。自らの考えを語る際には、いちいち根拠を示します。
当然、他人の発言や研究成果の引用が多くなりますが、「・・・だそうです。」「だとか。」「・・・によれば、」という定型以外に、バリエーションに富んでいる。
上手に話をするだけでなく、上手に文章を書く参考にもなりそうです。・・・ということで、「文章は3分以内にまとめなさい」という記事タイトルにしてみました。
おっ!以上、約500字。
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