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2007年12月

3-3 効果的なプレゼンテーション ―文章の線状性

3 効果的なプレゼンテーション ―文章の線状性

 今や民間企業のみならず、行政職員にもプレゼンテーション能力が求められている。その背景には、

  1. 行政の説明責任の必要性
     専門用語ばかりの文字資料の棒読みではなく、ビジュアルでわかりやすい説明ができる力が求められている
  2. 政策形成能力の必要性
     膨大な資料説明のための会議ではなく、簡潔な説明と徹底した議論の場にするための提案力が求められている
  3. コミュニケーションの必要性
     「個」の時代に、積極的傾聴、相手の立場に立った発想が求められている

ことがある。

 そもそもプレゼンテーションとは、<(情報の)送り手が望む方向に、受け手の行動変容を図るために、企画・報告などの提案を直接的、効果的に伝達する方法>と言われている。
 つまりその成果は、例えば製品情報に関するプレゼンテーションの結果、受け手が実際にその製品を買う、ということである。(株式会社CSK『表現技術と講師トレーニング』 2002年2月)

 そのため、オフィシャルな場でのプレゼンテーションは、思いつくままに話せばいいというものではなく、情報を正しく効果的に伝える必要がある。その点で、話し言葉ではあっても日常会話とは異なり、書き言葉に近いと思われる。

 では、プレゼンテーションのポイントとなる効果的な話し方とはどのようなものか。
 一般的には次のようなことが挙げられる。

  1. NLCの法則
    • N(Numbering) 番号付け
       例)「1点目は・・・・。2点目は・・・。」
    • L(Labeling) 見出し付け
       例)「・・・が対象者です。」→「対象者ですが、・・・」
    • C(Claim) 主張・内容
       例)「入社4年目以上の全社員を年俸制とする。」
  2. ロードマップ(話の目次)
      例)「ポイントは全部で3点です。まず1点目は、・・・」
  3. 外来語、専門用語はなるべく避ける(必要な場合は定義付け、共通理解をしておく)
  4. 情報(事実を伝える)と意見(判断を伝える)、情感(気持ちを伝える)を区別する

などである。(株式会社CSK『表現技術と講師トレーニング』 2002年2月)

 文を作っている単語(や形態素)は、必ず一列に並べられる。
 この性質を「線状性」と呼び、例え個々の単語の意味がわかっていても、文の構造がわかりにくいと、文の構造を推測しながら読み進めなくてはならないので、<伝えられる事柄の内容を早く限定したほうが伝達の効率が高い>と町田健は指摘する。(町田健 編・著『言語学のしくみ』研究社 2001年11月15日)

 プレゼンテーションは話し言葉だが、文章の線状性が及ぼす影響は書き言葉も同様であり、わかりやすい文章の基本は同じであると私は考えている。

 なお、プレゼンテーションソフトのMicrosoft PowerPointで原稿を作成する際には、Microsoft Office Word(ワープロソフト)で設定したアウトラインを読み込んで、見出し毎にスライドを分けて自動的に作成してくれる機能がある。

 Microsoft Office Wordで文章を作るときも、見出しを設定する機能がついており、正しく設定すると自動的に目次を作成してくれる。
 メニューバーの「表示」にある「見出しマップ」をクリックすると、作成中の文章の横に、見出しの一覧がその階層ごとに表示され、これが文章全体のアウトラインとなる。

 これは、スライドを作る手間が省けるというよりもむしろ、わかりやすい話し方ができるための機能と私は考えている。

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CSMS的SEO ―ドメインのキャリア?

 CSMS的SEO ―Yahoo!での順位急落原因は?という記事のなかで、急落ページの特徴は以下の3つのようだと書きました。

  1. 情報量が少ない
  2. テーマの絞り方が弱い
  3. ドメインが古い

 今日は私が受けた印象を書こうと思います。

 まず1.の「情報量が少ない」についてですが、確かにYahoo!は情報量が極端に少ないページでも上位表示をさせていました。
 CSMSの試験の課題で、とあるキーワードについて調査した時には、画像とJavaScriptを使ったリンクしかなく、テーブルレイアウト。テキストはタイトル画像のAltタグだけ・・・というようなページが、平気で1位表示。たしかにキーワード密度は高いですよね。キーワードが1つでも、分母が1なら100%です。

 さすがにそんなページが検索結果に表示されたらユーザーが怒りますから、排除できるようアルゴリズムを変更したのかもしれませんね。

 2.「テーマの絞り方が弱い」については、Googleも意識しているはずなのですが、「テーマ」を判断するアルゴリズムによりますよね。
 例えば「法人 設立」と「ホームページ SEO」のように、単語自体は関連性が低くても、実は密接な関わりがある事柄もあるし、その関係性が、まったく新しい視点からのもの、先駆的なものだった場合、機械がテーマを判断することができるのかどうかは疑問です。

 Yahoo!は「Googleと逆にしよう」という力が働いている気もしなくもないです。

 例えば、私が作っている「行政書士・社会保険労務士(社労士)・司法書士・税理士の「役所屋本舗」 ―東京都新宿区」というサイト。

 「建設業許認可申請」というページは、Yahoo!では1位表示(なのでお客様からの問い合わせが来ます)。
 でも、GoogleのPageRankを見ると、他のページはみんな「2」なのに、「建設業許認可申請」のページだけナシなのです。

 1ページごとに張り合っているわけもないですが、GoogleとYahoo!は違う路線を行こうとしている気がします。

 というのも、3.「ドメインが古い」は、Googleだと有利ですが、それをYahoo!はマイナス要素と見なしている!?


 ここは個人的にはYahoo!を評価します。
 古くからあるページがいいページとは限らないわけで。
 もちろん、せっせと更新して、長い年月の間に情報量が増えているということはあるかもしれませんが、情報の質は定かではない。自己満足的なものも見受けられます。
 逆にぽっと出のブログだって、有益な情報が載っていることも多々ありますよね。

 検索サイトのユーザーの一人として、自分の使い分けを考えると、辞書的に詳しいことを調べるにはGoogle、最新情報や裏話をゲットしたければYahoo!・・・なんて感じもしています。


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3-2 コンピューターにわかりやすい文章構造

2 コンピューターにわかりやすい文章構造

 平成17年度まで、私は区の公式ホームページを担当していた。
 ウェブページ上の文章を作成する際に気をつけていたことは、基本的にパブリシティと同じで「文章を構造化すること」だ。つまり、結論を先に述べ、見出しをつけることで、文章の構造を明確にし、これから伝えようとしていることのアウトラインを最初に示すことだ。

 これはウェブページでタイトルや見出しを意味する「タグ」(HTML言語における記述のひとつ)をつけることを意味する。資料7「タグの例」を見ると、文章構造がわかる。

※注
 「資料7」は省略。
 例えばこのページの「タグ」は、ブラウザのメニューバーの「表示」をクリックし、「ソース」を選択すると見ることができる。

 タグをつけることによって、コンピューターに対して見出しであることを認識させ、自動的に文字を大きくしたり太くしたりするため、見た目で本文とは違うことがわかり、見出しだけを追って読むことができる。

 視覚障害者は、ディスプレイに表示されている内容を音声で読み上げてくれる「スクリーンリーダー」などを使用しているが、見出しを意味するタグだけを読み上げる機能を使い、興味のある見出しについてだけ本文を読むという読み方をしている。
 このスクリーンリーダーはテキスト情報を単線的に読み上げるため、複雑な構文は理解しにくい。誤字・脱字があると正確に読み上げることができないため、視覚障害者ではなくとも文章の校正に役立つ。

 この他、知的障害のある人や子ども、高齢者、日本語が苦手な外国人は、複雑な文章表現の理解が十分ではないため、わかりやすい言葉遣いや文章を心がけ、あまり長くせず内容を簡潔にまとめる必要がある。

 なお、このような配慮は、米国ではリハビリテーション法修正508条およびアシスティブ・テクノロジー法により義務付けられている。
 日本では、2004年6月20日に、「JIS X8341-3 :2004  高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス- 第3 部:ウェブコンテンツ」が日本規格協会から発行され、その中で「ウェブコンテンツは、見出し、段落、リストなどの要素を用いて文書の構造を規定しなければならない。(JIS X8341-3 5.2 a)」など、配慮しなければいけない具体的項目を網羅しているが、法的強制力は米国ほど強くはない。

※注
 リハビリテーション法修正508条およびアシスティブ・テクノロジー法インターネットの普及とともに、すべての人が電子・技術情報にアクセスする権利を守ることが急務となり、2001年6月21日以降、連邦政府および連邦政府の財政援助を受ける州政府の障害を持つ雇用者と、連邦政府・州政府の情報を必要とする政府外の障害者の両方が、連邦政府・州政府が調達・購入、管理もしくは使用する電子・情報技術にアクセスできることを保証することが義務付けられた。
 この法律は、製品のマニュアルなどの文書や、連邦政府・州政府のウェブサイトにも適用され、違反した場合に職員や市民からの提訴も可能である。

 また、最近はSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)やSEM(Search Engine Marketing:検索エンジンマーケティング)が注目されている。

 これは、インターネット利用者の大半(75%とも80%とも言われている)が、検索エンジン経由でサイトを訪れ、なおかつ最初の1ページかせいぜい次の1ページしか見ないという調査結果から、検索エンジン結果のできるだけ上位に表示されることを目指したマーケティング手法である。

 この検索エンジンが検索をする優先順位は、

  1. ページタイトル
  2. ページ内の見出し(タグ)
  3. 内容(ページの最初を重視)

などであり、検索結果の上位に表示され広報効果を高めるためには、わかりやすい適切なタイトルや見出しをつけること、結論を先に書くことが重要であるといえる。

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3-1 新聞記事を参考に ―文章構造

第3章 わかりやすさの追加要素

 以上、行政(主に在籍していた区)の考えるわかりやすさと、言語学的な見地からのわかりやすさとを比較した結果、行政の考えるわかりやすさは、抽象的であることがわかった。想定読者に応じた文書作成上の指標や、わかりにくい文の具体的な修正案、特に構文的な言い換え例がほとんどない。

 一方で、言語学的なわかりやすさには、2文以上のつながりや構造を検証する指標が存在しない。佐藤理史は、現在の自然言語処理の技術において、<2文以上のつながりや構造を把握するための文章解析・文脈解析の技術が実用レベルには達していない>ことから、文を単位とした研究に限定している。(佐藤理史・土屋雅稔・村山賢洋・麻岡正洋・玉晴晴『日本語文の規格化』情報処理学会研究報告 2003年1月  Vol.2003 No.4)
 確かに文と文とのつながりや全体の構成は、システムではチェックできないかもしれないが、行政の広報文の重要要素としてはずすことはできない。

 また、高橋善文らが指摘する内容の品質や、佐藤理史が<難しすぎる>として除外したプラグマティック(語用論的)な側面も同様である。

 以下に、わかりやすさに関する要素で、不足していると思われるものについて述べる。

1 新聞記事を参考に ―文章構造

 前述の区の広報研修テキストを作成した担当者は、「逆三角形の文書構造」を重視していた。この用語は『記者ハンドブック』からの引用である。((社)共同通信社 著・編『記者ハンドブック 新聞用事用語集 第10版』2005年3月15日)
 不特定多数の読者に対して情報発信するという点で、新聞記事に学ぶことは多い。

 パブリシティは、新聞社など報道機関に行政情報を提供し、紙面に掲載してもらうことで、無料で周知してもらう依存広報である。行政側には、記者と読者と両方の立場に立った文章の書き方が要求される。
 そのため、最大多数の読者の最大関心事は何か、伝えるべきポイントは何かを判断すること、つまり「内容の品質」が大切であり、同時に、記者が記事を作成しやすい文章を作ることで、紙面への掲載確率を高める必要がある。

 また、新聞記事にしても行政の広報紙にしても、大量の活字をすべて読む人は稀で、リード文や見出し、あるいははじめのほうに書いてあることを読み、興味を持てばその続きを読むのが一般的であろう。
 タイトル、見出しやリード文、そして大事なことは先に書く「逆三角形の文章構造」は重要である。

 新聞記者に文章の書き方を学び、都度、朝日新聞社の用字・用語の手引きを使って表記を確認し、記事内容の裏づけを怠らなかった担当者は、リリースした記事の8割以上が紙面に掲載されるという成果を残した。これは前述の区始まって以来のことである。

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CSMS的SEO ―Yahoo!での順位急落原因は?

 12月5日ごろ?のYahoo!のアルゴリズム変更で、今まで10位以内だったページの30%が11位以下に落ち、100位以内だったページの43%が100位圏外へ消えたそうです。

 3000URLを対象に調査したところ、急落ページの特徴は以下の3つのようです。

  1. 情報量が少ない
  2. テーマの絞り方が弱い
  3. ドメインが古い

 詳しい解説とデータは 「SEO リサーチ情報」(株式会社スプール)へ。

 ちなみに以下は、「CSMS」をキーワードに、このブログ(といっても、引越し前のYahooブログ)を、開設2日目の状態で検索してみたものと、今日現在との比較です。お遊びですが^^;

■「CSMS資格取得者
 G 777件中3位 → 約3460件中1・2位(引越し前のブログは4・5位)
 Y ブログ検索でしか出てこない(1件のみ) → 約411件中1・2位(引越し前のブログは3・5位)

■「CSMS資格取得
 G 837件中3位 → 約4,200件中1・3位(引越し前のブログは2・6位)
 Y ブログ検索でしか出てこない(1件のみ) → 約429件中1・2位(引越し前のブログは4・5位)

■「CSMS資格
 G 1,290件中9位 → 約4,690件中9位(引越し前のブログは8位)
 Y ブログ検索で14件中1位 → 約335件中2・3位(引越し前のブログは4・7位)

■「CSMS 資格
 G 1,300件中10位 → 約4,760件中9位(引越し前のブログは8位)
 Y ブログ検索で51件中1位 → 約864件中2・3位(引越し前のブログは4・9位)

■「CSMS
 G 280,000件中20位 → 約183,000件中38・42位(引越し前のブログは46位)
 Y ブログ検索で55件中1位 → 約300,000件中2位(引越し前のブログは4位)

 おもしろいですね。「CSMS」だと、このサイトをブックマークした「Yahoo!ブックマーク」のタグ検索結果が9位と、このサイト自体より上位です・・・。


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2-5 最もわかりやすい日本語

5 最もわかりやすい日本語

 佐藤理史らは、「平易度3」の具体例として、佐藤和之の「Easy Japanese(やさしい日本語)」を挙げている。
 これは、<災害発生時の情報伝達に使うことばを、外国人にもわかりやすく、また情報を提供する日本人にも使いやすいように、簡潔な日本語にしよう>と考案されたもので、阪神・淡路大震災のとき、在日外国人に重要な情報がなかなか伝わらなかったという反省に基づくものである。(佐藤理史・土屋雅稔・村山賢洋・麻岡正洋・玉晴晴『日本語文の規格化』情報処理学会研究報告 2003年1月  Vol.2003 No.4)(佐藤和之『やさしい日本語(Easy Japanese)』外国人のための災害時のことば,月刊言語,vo1. 25, N0.2,pp.94-1o1 1996.)

 「やさしい日本語」は、日本語能力試験3級程度の外国人を対象者としているが、具体的には<友人と待ち合わせ(時間や場所を決める)ができたり、自分のほしいものを説明して買い物ができたりする程度の日本語能力>を指す。<文字表現でいうと、小学校の2、3年生で習うくらいの漢字と平仮名およびカタカナによる表現>である。(弘前大学人文学部社会言語学研究室のホームページ)

 佐藤和之ら「災害時の日本語研究グループ」は、日本語初級後半~中級前半程度(日本語学習歴5か月~2年程度、あるいは日本滞在歴5か月~2年程度)の外国人に対して、聴解実験を行っている。
 災害時に、実際に報道されたNHKのニュース原稿のニュース文(A)と、やさしい日本語で作ったほぼ同内容の外国人用のニュース案文(B)を被験者に聞かせ、理解度を調査したところ、(A)を聞いたグループの正答率は29.3%、(B)を聞いたグループでは90.7%という結果が出た。(弘前大学人文学部社会言語学研究室のホームページ)

 佐藤和之が指導教官である弘前大学人文学部社会言語学研究室のホームページには、『新版 災害が起こった時に外国人を助けるためのマニュアル』(2004年発行)が公開されている。
 マニュアルの構成は次のとおりである。

  • ラジオ放送や防災無線、テレビでの字幕スーパーに使える「やさしい日本語」の案文(時系列に配置)
  • 発災直後から使える「やさしい日本語」を用いたポスターやビラの具体例
  • 外国語で治療を受けられる病院のリストやボランティア団体への連絡方法、大使館への連絡方法など
  • 「やさしい日本語」が考え出された経緯や基礎資料となった文献のリスト

 マニュアルでは、「やさしい日本語の作り方」として、

  1. 1文を短くして、文の構造を簡単にする
    例:
     「地震の揺れで壁に亀裂が入ったりしている建物に近づかないでください」
    →「地震で壊れた建物に気をつけてください」
  2. 難しい言葉でも、災害時にはよく使われ、知っておいたほうが良いものはそのまま使い、そのことばの後に<  >を使って言い換え、一緒に使う
    例:
     消防車 → 消防車 <火を消す車>
  3. 外来語は通じない
    例:
     ダイヤル→原語とは発音が異なる
     ライフライン→原語とは意味が異なる
     デマ→原語では行われない省略であるため意味が通じない
  4. 動詞を名詞化せず動詞文にする
    例:
     「揺れる」   揺れがあった → 揺れた
  5. 二重否定を使わない
    例:
     「通れないことはない」 → 「通ることができます」「通れます」
  6. 「おそらく…」「たぶん…」などの、あいまいな表現は避ける

などを挙げている。(弘前大学人文学部社会言語学研究室のホームページ)

 特に6.は、日本と外国の文化・社会的背景の違いが影響するものと思われるため、前述の藤田が指摘する言い換え分類の中の<語用論的効果の同一性による言い換え>が必要であろう。

Zu1  また、言い換えシステム「KURA」の開発チームのメンバーでもある乾健太郎は、聾学校の語学担当教諭に対するアンケート調査を行っている。
 アンケートの内容は図1のようなもので、この調査結果から、可読性基準をモデル化し、言い換えによる読解支援システム構築を目指している。(J-STORE(日本語を簡単な日本語に言い換える -福祉的コミュニケーション支援に向けて-

 このシステムを含む研究成果は、しかるべき場所へ公表し、特殊教育分野や医療リハビリ分野に対して広報活動を行うという。福祉的コミュニケーションが欠かせない行政に対しても、ぜひとも広報活動を行ってほしいものである。

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2-4 想定読者ごとのわかりやすさのレベル ―内容の品質

4 想定読者ごとのわかりやすさのレベル ―内容の品質

 佐藤理史らは、<重要な情報の伝達を目的としたテキストは、読みやすさを保証するようなガイドライン、あるいは、規格にしたがって書かれるべきである>とし、3段階、4部門からなる日本語文の平易度の規格を提案するとともに、文がその規格を満たすかどうかを判定するブログラムの実現法について述べている。(佐藤理史・土屋雅稔・村山賢洋・麻岡正洋・玉晴晴『日本語文の規格化』情報処理学会研究報告 2003年1月  Vol.2003 No.4)

 「日本語の平易度の3段階」は、次のようなものである。

平易度3
 最もやさしいレベル。生命の安全に直結する情報等、できるだけ多くの人々に最優先で伝達すべき情報(最優先情報)を記述するのに用いるレベル。
平易度2
 中間レベル。基本的な社会生活を営むのに不可欠な情報(重要情報)等を記述するのに用いるレベル。
平易度1
 最上位レベル。その他の情報を記述するのに用いるレベル。コンピューターの使い方など、比較的複雑な情報を記述するのに用いるレベル。

 これは<「想定する読み手が理解できることを最低限保証するような規格または仕様」があってしかるべき>という考えに基づくものであり、『日本語能力試験 出題基準』の3級、2級、1級を出発点とした3段階のレベルを設けることとしている(<4級は語彙や文法がかなり限られており、十分な表現力を有していない>との判断に基づく)。

 さらに、<文を単位とする方針>に基づき、平易度を測る物差しとして

  1. 漢字
  2. 語彙
  3. 文法
  4. 量的複雑さ(文の長さ、埋め込みの深さ等)

の4つの部門を設けている。
 平易度の3段階、4部門の組み合わせは表6のとおりである。

 これは、前述の「内容の品質」をも考慮した表現品質の分類と言えよう。

 例えば、本稿の想定読者は言語学の専門家や学生であり、小・中学生や日本語がよくわからない外国人ではない。
 したがって、一文を短くし、漢字率を下げ、専門用語を冗長な説明に置き換えると、かえってわかりにくくなる。

 逆に、行政の職員として、災害関連の緊急情報などを作成する際には、本稿のような文章では必要な情報が伝わらない可能性が高い。このような配慮が行政文書の内容の品質であろう。

表6 平易度の3段階と4部門
  部門 基準レベル
12309

1.漢字

日本語能力試験の『出題基準』の「漢字表」

1級
  2,040字

2級
  1,077字

3級
  284字

規格外 判定対象外

2.語彙

日本語能力試験の『出題基準』の「語彙表」

1級
  8,009字

2級
  5,035字

3級
  1,409字
  4級
  728字

3.文法

日本語能力試験の『出題基準』の「機能語の類」一覧+「敬語表現」一覧+日本語能力試験に準拠した教科書から抽出

記載なし

4.量的複雑さ

日本語能力試験の『出題基準』の「読解テストで使用する文の長さ」の大きい方の値に20%のマージンを付加

80字

55字

36字

(佐藤理史・土屋雅稔・村山賢洋・麻岡正洋・玉晴晴『日本語文の規格化』情報処理学会研究報告 2003年1月  Vol.2003 No.4)
(『日本語能力試験出題基準【改訂版】』(国際交流基金,財団法人日本国際教育協会,凡人社 2002)

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CSMS的LPO

 「LPO」とは、「Landing Page Optimization(ランディングページ最適化)」のこと。

 「ランディングページ」は、検索結果などのリンクをクリックして表示される最初のページのことで、その内容も最適化する必要があります。

 というのも、SEOやSEMの目的が、「アクセス数アップ」だけであれば、(1)検索結果の順位を上げることと、(2)クリックしたくなるような魅力的なクリエイティブだけで十分ですが、「売り上げアップ!」が目的であるならば、アクセスしてもらうだけではダメで、問い合わせをする、資料請求をする、申し込む、購入する・・・ところまで行かなくては意味がありません。

 高い費用を払ってSEO業者に依頼をしたり、広告を出したりしていればなおさら、サイトの訪問者が売り上げアップにつながる具体的なアクションを起こす率=コンバージョンレートを検証しなくてはなりません。

 CSMSのお仕事には、そこまでが含まれています。
 つまり、SEOの知識以外に、ライティングのスキルも必要ということですね。

 米国のSEMソリューション会社が発表した統計データによると、以下の1~4の内容のランディングページでは、そのコンバージョン率は1<2<3<4で、4のコンバージョン率は1の10倍以上だったそうです。

  1. キーワードと全く一致しない内容のページ
  2. 会社などのトップページ
  3. キーワードのテーマと一致した内容のページ
  4. 具体的なキーワードと一致した内容のページ

見込み客を逃がさないためのLPO対策


 でも検索者、購入者の立場で考えれば当たり前ですよね。
 SEOを意識するあまり、内容と関係ないキーワードを詰め込んだり、ユーザーをだますようなクリエイティブを書いているページは腹が立ちます。

 「通報する」などのマイナスのアクションを起こされてしまいますよね^^;


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CSMS的SEO ―構文チェック

 SEOSEMと言うと、検索結果の順位ばかりを気にする風潮がありますが、そもそも、Googleなどの検索サイトは、SEO自体を嫌っているという話があります。

 というのも、検索サイトは、そのアクセス数、ユーザー数が多ければ多いほど、高い広告収入を得ることができるわけですから、利用者の満足いく検索結果を返すことが最重要事項です。
 ユーザーとしては、探している情報がちゃんと見つけられる、しかも素早く見つけられる検索サイトを利用したいわけで、検索順位の上のほうがSEO至上主義の内容の無いサイトばかりでは、その検索サイトを使う気が失せます。

 検索サイトはユーザーの満足度をアップすることが大切なのですから、中身の濃いサイト、HTMLやXHTMLなどが正しく記述されているサイト、アクセシビリティやユーザビリティに配慮しているサイトを重視します。それが検索結果の上位に来るようなアルゴリズムを日々研究・開発しているわけです。

 一例として、私が作成しているサイトのひとつ、「届け出・手続き・申請は役所屋本舗 へ」をご覧ください。まだまだ手を入れる余地はたくさんあるのですが、時間がなく^^;
 右はじのスクロールバーを使ってトップページの一番下までスクロールしてみてください。
 何やら横文字でバナーが2つ付いています。これがW3C(※1)の認定バナーです。

 W3Cは1994年10月に発足したWWWで利用される技術の標準化を進める団体。
 その団体がWebサイト「役所屋本舗」のHTML構文とCSS構文をチェックし、問題のないサイトだと評価してくれました。
 そこで、「W3C HTML4.01」(※2)「W3C CSS」(※3)のバナーを張りました。

 このように、きちんとした構文で書くこと、正しいコーディングをすることもSEO的には大切なことなんです。

 今日も、CSMSの私が管理するサイトについて、「SEO対策をします。10位以内を保障します」という、典型的な営業電話がありました^^;

 「検索結果の順位を保証するSEO業者は信用してはならない」というのが、SEO業界の鉄則です。

※1 W3C(World Wide Web Consortium:ダブリュースリーシー)
 WWW技術に関わりの深い企業、大学・研究所、個人などが1994年10月に発足したWWWで利用される技術の標準化をすすめる団体。
 現在、マサチューセッツ工科大学計算機科学研究所、フランス国立情報処理自動化研究所、慶應義塾大学SFC研究所がホスト機関としてW3Cを共同運営しています。

※2 W3C HTML4.01
 W3C Markup Validation Serviceは、検証したいサイトのURLを入力することで自動的にHTML構文チェックを行ってくれるWebサービスです。バナーをクリックすると英語の説明になりますけど驚かないでください。

※3 W3C CSS
 W3C CSS Validatorは、検証したいサイトのURLを入力することで自動的にCSS構文チェックを行ってくれるWebサービスです。バナーをクリックしても日本語の説明なので安心です(笑)

 おまけ(HPのお勉強)

 「HTML(HyperText Markup Language)」とは、Webページを記述するためのマークアップ言語のことです。W3Cが作成している規格の最新版はHTML 4.01。

 「CSS(Cascading Style Sheets)」とは、Webページのレイアウトを定義する規格のことです。CSSを使うと、フォントや文字の大きさ、文字飾り、行間などの見栄えに関する情報を、文書本体や文書の論理構造を記述したHTMLから切り離すことができます。


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2-3 わかりやすい文への言い換え

3 わかりやすい文への言い換え

 高橋らの定量的評価のように、客観的にわかりやすさを評価する取り組みは複数見られるが、評価した結果、「わかりにくい」と判断された場合は、わかりにくい部分をわかりやすく書き換えることになろう。

 佐藤理史は、言い換えの分類に役立つものとして、次のような翻訳の分類を挙げている。(佐藤理史『論文表題を言い換える』情報処理学会研究報告 1998年9月  Vol.1998 No.82)

  1. 構文的言い換え
     言語学に立脚するもので、与えられた文の単語と構造を他言語の対応する単語と構造に移し変える
     例)システムの生成→システムを生成すること(単語を同義語や類義語に置き換える言い換え)
  2. 意味的言い換え
     コミュニケーション理論の立場に立つもので、発話文の意味が同一になるように他言語の文を作り出す
     例)去年の出来事→1997年の出来事
  3. プラグマティックな言い換え
     社会言語学的立場に立つもので、ある発話文がその社会で理解され、種々の効果をあたえるのとまったく同じ効果を他の言語の社会においても生じさせるような翻訳文を作る(ことわざや四字熟語をその由来となった表現、あるいは描写する表現に言い換える)
     例)言い換えは目的を必要とする→目的のないところには、言い換えは存在しない

 その上で、<難しすぎる3.をとりあえず除外し、1.2.にそれぞれ対応する、構文的言い換えと意味的言い換えを考える>ことにしている。

 これを受けて藤田篤は、その修士論文で、1.を「語彙的言い換え」(内容語の置換に重点を置いた言い換え)と「構文的言い換え」(構文構造の変換に重点を置いた言い換え)とに分類し、<格交代や否定表現の言い換えなどは、主辞や視点の交替を含むため一見すると構文的言い換えのようであるが、これらは動詞の自他交替や名詞の反義語などの語彙知識を必要とする言い換えである>としている。(藤田篤『語彙的言い換えに必要な言語知識の組織化と実装』修士論文, 九州工業大学大学院情報工学研究科, 2002.)

 藤田と乾健太郎はさらに『言い換え技術に関する研究動向』で、

  1. 語彙・構文的言い換え
     内包的意味の同一性に基づいた言い換え
  2. 参照的言い換え
     内包的意味が違っていても参照の同一性に基づいた言い換え
  3. 語用論的言い換え
     語用論的効果の同一性に基づいた言い換え

であるとし、「語彙・構文的言い換え」の分類と例文の一覧を掲載している。(乾健太郎,・藤田篤『言い換え技術に関する研究動向』自然言語処理, Vol. 11, No. 5, pp. 151-198, 2004.10.)

 これについても、前述の区の文書事務の手引きと広報研修テキストに掲載されている内容を分類し比較したが、修正案の具体例に乏しいため、記載できるものがほとんどなかった(表5『言い換え技術に関する研究動向』との比較は省略する)。

 なお、藤田が在籍していた奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科の「言い換え勉強会」では、このような研究成果に基づき「KURA」という言い換えシステムを開発した。
 「KURA」は、形態素解析システムと日本語係り受け解析器などを利用して、文をツリー構造に変換し、言い換えのための規則(構造変換規則)と不適切な表現を修正または棄却する規則(修正規則)を適用して言い換えを行うシステムである。(「言い換え勉強会」のホームページ「言い換えエンジン KURA」の変換・修正規則

※注 「KURA」で利用されているシステム京都大学言語メディア研究室で開発された形態素解析システム「JUMAN」と構文解析システム「KNP」は、インターネット上で誰でも利用できる。(形態素解析システム『JUMAN』構文解析システム『KNP』(京都大学言語メディア研究室)

 言い換えることがすべてわかりやすさにつながるとは限らないが、わかりにくいという評価を下された場合に、わかりやすく修正する方法を例示されることは必要であろう。
 とはいえ、行政職員が日々の文書業務の中で、一つひとつの文を評価し、言い換え案を探し、修正することは現実的ではない。例えば、ホームページ作成システムにこのようなシステムが組み込まれるなど、製品化されることを期待する。

 なお、KURAはじめ自然言語処理に関するシステムで、無償で公開しているものはいくつかあるが、パーソナルコンピューターの一般的なオペレーティングシステムであるMicrosoft Windowsでは動かすことができず、コンピューター言語に関する専門的な知識のない者には使用できないものである。

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2-2 わかりやすさの基準と指標 ―表現の品質

2    わかりやすさの基準と指標 ―表現の品質

 表3は、高橋らが経験的な知見を基に、わかりやすさに関係すると考えられる文書構成上の要素を抽出したものである。

 高橋らは、サンプル文書を形態素解析した結果に対する統計解析と、サンプル文書についての読者へのアンケート調査とを利用して、計算機マニュアルのわかりやすさを定量的に評価するモデル評価式を作成した。その際に、この表の要素の中から比較評価の対象としてふさわしくないものを外し、残りを基礎指標として利用している。

表3 わかりやすさの基準と基礎指標
基準基礎指標
理解しやすさ受動態頻度 理解しにくさに比例する
抽象語句密度 理解しにくさに比例する
逆茂木文頻度 理解しにくさに比例する
二重否定頻度 理解しにくさに比例する
平均述語数 理解しにくさに比例する
指示語率 理解しにくさに比例する
箇条書き頻度
平均見出し率
折り込み語句頻度
例・注・備考頻度
重文・複文頻度
平均文節数
読みやすさ折り込み語句頻度 読みにくさに比例する
例・注・備考頻度 読みにくさに比例する
非ひらがな率 読みにくさに比例する
英数字・カタカナ率 読みにくさに比例する
漢字密度 読みにくさに比例する
平均文長 読みにくさに比例する
平均述語数
指示語率
文字充填率
使いやすさ箇条書き頻度
平均見出し率
索引項目密度

※抽象語句   

  1. 形容動詞化語尾(~的、~性、~度など)を付加したもの
  2. 比較対象の省略された形容詞
  3. 富士通のATLASの辞書において、"抽象的でかつ、人が作り出した知的概念"のタグが付与されているもの

※折り込み語句
 文中に()または引用符号などで埋め込まれた語句

※逆茂木文
 長い前置修飾節。このシステムでは、連体修飾句が3つ以上、またはひとつの体言を修飾する句が入れ子構造になっているもので代用している。(高橋善文・牛島和夫『計算機マニュアルの分かりやすさの定量的評価方法』情報処理学会論文誌,  Vol.32 No.4 1991.4)

 表中の太字部分は、わかりやすさと読みやすさの基礎指標として重複していて、かつ相反する要素である。例えば「折り込み語句」は、専門用語やアルファベットの略号などをカッコ書きで解説をつける場合などに使うが、これがあると理解を助ける一方で、文脈が中断され、一文が長くなり読みにくくなる。
 この場合、必要な注釈を折り込みつつも、あまりその頻度が高くならないよう注意が必要であり、そのバランスについては、統計解析により数値化し客観的指標を与えている。

 この分類に従って、前述の区の文書事務の手引きや広報研修テキストに掲載されている内容を分類し、比較したものが表4「表現の品質の分類と比較」である。(※表4はこのサイトでは省略した。)
 これを見ると、語彙的な側面に関しては具体的な言い換え例を複数挙げているが、構文的な側面に言及しているものが少ない。杉並区の『外来語・役所ことば言い換え帳』や、昭島市の『役所言葉をなくそう!~わかりやすく親しみやすい文書づくりをめざして~』も同様であり、行政における文書のわかりやすさの解釈として、語彙的な側面に重点を置いている様子がうかがえる。
 なお、ここでは文書の表現品質についてのみ比較した。内容の品質については後段で述べることとする。

※注 高橋らの研究成果
 解析手法は統計学の専門的知識を要する難解なものであるため、自分で計算式に数値を当てはめて評価することは困難である。このような指標に沿って自動的に評価できるシステムの存在は有益であり、<研究成果は富士通のマニュアル推敲・査読システム「MAPLE」に組み込む>と締めくくられているが、製品化や公開されたという情報は得られていないのが残念である。

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2-1 わかりやすさの分類

第2章    言語学的な「わかりやすさ」とは

1    わかりやすさの分類

 難波英嗣・奥村学は、一般にテキストの読みやすさには次の2種類があるとしている。(難波英嗣・奥村学『書き換えによる抄録の読みやすさの向上』情報処理学会研究報告 1999年9月  Vol.1999 No.73)

わかりやすさ
 表記の正しさ、語彙の難易、文構造の複雑さなどによる文章の理解(言語学・自然言語処理に関するもの)
見やすさ
 活字のフォント・スタイル、行間のバランス、レイアウトなどによる見易さ(主に印刷・出版業界で調査・研究されているもの)

 このうち、本稿では「見やすさ」は論じる対象外とする。

 また、高橋善文・牛島和夫は、<事実を正確にかつ素早く伝える必要のある技術書(マニュアルに代表される)の品質を確保することは情報化時代に必須の作業>であるとし、<従来、主観的と考えられていた"表現上の分かりやすさ"を定量化し、客観的な評価を下すこと>を可能にするため、わかりやすさの品質評価方法について考察している。(高橋善文・牛島和夫『計算機マニュアルの分かりやすさの定量的評価方法』情報処理学会論文誌,  Vol.32 No.4 1991.4)

 行政も「経営」し、その「品質」を問われる時代である。私が勤務していた区では、「広報品質評価委員会」という会議体を持ち、広報の専門家と区民の代表とからなる評価委員に、区の広報の品質を評価し、提言・助言をいただくしくみを持っている。高橋らの考察の動機と目的は、行政の広報文もマニュアルと同様であり、その分類は参考になる。

 高橋らは、計算機マニュアルの品質について以下のように分類している。

1.内容の品質・・・設計時に決定(設計品質)

 (1)読者に伝達する情報の必要十分性
 (2)マニュアルの位置づけ
 (3)マニュアルの構成

2.表現の品質・・・執筆時に決定(執筆品質)

 (1)表現品質

  • 理解しやすいか(文の平易さ、簡潔さ)
  • 読みやすいか(通読し易さ)
  • 使いやすいか(検索性の良さ)
  • 図表は適切か
  • 例は具体的か

 (2)正確さに関するもの

  • 情報は正しいか
  • 表記は正しいか(文法誤り、誤字、脱字、不適切用語)[8]

 この「2.表現の品質」のうち、理解しやすいか、読みやすいか、使いやすいか、について、高橋らの論文には具体的な項目が網羅されていた。

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