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3-2 コンピューターにわかりやすい文章構造

2 コンピューターにわかりやすい文章構造

 平成17年度まで、私は区の公式ホームページを担当していた。
 ウェブページ上の文章を作成する際に気をつけていたことは、基本的にパブリシティと同じで「文章を構造化すること」だ。つまり、結論を先に述べ、見出しをつけることで、文章の構造を明確にし、これから伝えようとしていることのアウトラインを最初に示すことだ。

 これはウェブページでタイトルや見出しを意味する「タグ」(HTML言語における記述のひとつ)をつけることを意味する。資料7「タグの例」を見ると、文章構造がわかる。

※注
 「資料7」は省略。
 例えばこのページの「タグ」は、ブラウザのメニューバーの「表示」をクリックし、「ソース」を選択すると見ることができる。

 タグをつけることによって、コンピューターに対して見出しであることを認識させ、自動的に文字を大きくしたり太くしたりするため、見た目で本文とは違うことがわかり、見出しだけを追って読むことができる。

 視覚障害者は、ディスプレイに表示されている内容を音声で読み上げてくれる「スクリーンリーダー」などを使用しているが、見出しを意味するタグだけを読み上げる機能を使い、興味のある見出しについてだけ本文を読むという読み方をしている。
 このスクリーンリーダーはテキスト情報を単線的に読み上げるため、複雑な構文は理解しにくい。誤字・脱字があると正確に読み上げることができないため、視覚障害者ではなくとも文章の校正に役立つ。

 この他、知的障害のある人や子ども、高齢者、日本語が苦手な外国人は、複雑な文章表現の理解が十分ではないため、わかりやすい言葉遣いや文章を心がけ、あまり長くせず内容を簡潔にまとめる必要がある。

 なお、このような配慮は、米国ではリハビリテーション法修正508条およびアシスティブ・テクノロジー法により義務付けられている。
 日本では、2004年6月20日に、「JIS X8341-3 :2004  高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス- 第3 部:ウェブコンテンツ」が日本規格協会から発行され、その中で「ウェブコンテンツは、見出し、段落、リストなどの要素を用いて文書の構造を規定しなければならない。(JIS X8341-3 5.2 a)」など、配慮しなければいけない具体的項目を網羅しているが、法的強制力は米国ほど強くはない。

※注
 リハビリテーション法修正508条およびアシスティブ・テクノロジー法インターネットの普及とともに、すべての人が電子・技術情報にアクセスする権利を守ることが急務となり、2001年6月21日以降、連邦政府および連邦政府の財政援助を受ける州政府の障害を持つ雇用者と、連邦政府・州政府の情報を必要とする政府外の障害者の両方が、連邦政府・州政府が調達・購入、管理もしくは使用する電子・情報技術にアクセスできることを保証することが義務付けられた。
 この法律は、製品のマニュアルなどの文書や、連邦政府・州政府のウェブサイトにも適用され、違反した場合に職員や市民からの提訴も可能である。

 また、最近はSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)やSEM(Search Engine Marketing:検索エンジンマーケティング)が注目されている。

 これは、インターネット利用者の大半(75%とも80%とも言われている)が、検索エンジン経由でサイトを訪れ、なおかつ最初の1ページかせいぜい次の1ページしか見ないという調査結果から、検索エンジン結果のできるだけ上位に表示されることを目指したマーケティング手法である。

 この検索エンジンが検索をする優先順位は、

  1. ページタイトル
  2. ページ内の見出し(タグ)
  3. 内容(ページの最初を重視)

などであり、検索結果の上位に表示され広報効果を高めるためには、わかりやすい適切なタイトルや見出しをつけること、結論を先に書くことが重要であるといえる。

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