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3-1 新聞記事を参考に ―文章構造

第3章 わかりやすさの追加要素

 以上、行政(主に在籍していた区)の考えるわかりやすさと、言語学的な見地からのわかりやすさとを比較した結果、行政の考えるわかりやすさは、抽象的であることがわかった。想定読者に応じた文書作成上の指標や、わかりにくい文の具体的な修正案、特に構文的な言い換え例がほとんどない。

 一方で、言語学的なわかりやすさには、2文以上のつながりや構造を検証する指標が存在しない。佐藤理史は、現在の自然言語処理の技術において、<2文以上のつながりや構造を把握するための文章解析・文脈解析の技術が実用レベルには達していない>ことから、文を単位とした研究に限定している。(佐藤理史・土屋雅稔・村山賢洋・麻岡正洋・玉晴晴『日本語文の規格化』情報処理学会研究報告 2003年1月  Vol.2003 No.4)
 確かに文と文とのつながりや全体の構成は、システムではチェックできないかもしれないが、行政の広報文の重要要素としてはずすことはできない。

 また、高橋善文らが指摘する内容の品質や、佐藤理史が<難しすぎる>として除外したプラグマティック(語用論的)な側面も同様である。

 以下に、わかりやすさに関する要素で、不足していると思われるものについて述べる。

1 新聞記事を参考に ―文章構造

 前述の区の広報研修テキストを作成した担当者は、「逆三角形の文書構造」を重視していた。この用語は『記者ハンドブック』からの引用である。((社)共同通信社 著・編『記者ハンドブック 新聞用事用語集 第10版』2005年3月15日)
 不特定多数の読者に対して情報発信するという点で、新聞記事に学ぶことは多い。

 パブリシティは、新聞社など報道機関に行政情報を提供し、紙面に掲載してもらうことで、無料で周知してもらう依存広報である。行政側には、記者と読者と両方の立場に立った文章の書き方が要求される。
 そのため、最大多数の読者の最大関心事は何か、伝えるべきポイントは何かを判断すること、つまり「内容の品質」が大切であり、同時に、記者が記事を作成しやすい文章を作ることで、紙面への掲載確率を高める必要がある。

 また、新聞記事にしても行政の広報紙にしても、大量の活字をすべて読む人は稀で、リード文や見出し、あるいははじめのほうに書いてあることを読み、興味を持てばその続きを読むのが一般的であろう。
 タイトル、見出しやリード文、そして大事なことは先に書く「逆三角形の文章構造」は重要である。

 新聞記者に文章の書き方を学び、都度、朝日新聞社の用字・用語の手引きを使って表記を確認し、記事内容の裏づけを怠らなかった担当者は、リリースした記事の8割以上が紙面に掲載されるという成果を残した。これは前述の区始まって以来のことである。

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