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1-4 地方自治体の文書作成の手引き

4 地方自治体の文書作成の手引き

 ここまで見てきたように、国の「助言」という名の指示に基づき、どこの行政組織もわかりやすい文書にするためのルールを定めているが、さらに詳しい、具体的な手引書の類も作っている。

 この他、前述の区の職員向け広報研修では、共同通信社の『記者ハンドブック』などを参考に、わかりやすい広報文の書き方について区のパブリシティ(報道機関への情報提供)担当が話をした。
 概要は以下のとおりである。

(1)リード文や見出しをつけること
 見やすくすることで、読む意欲が湧く。内容的にも大切なところが伝わりやすくなる。

(2)大事なことは先に書くこと
 まず結論を書き、次に経過や説明を書く文章構造を「逆三角形」と呼び、推奨した。読者が全文を読まずとも、大切なところを伝えることができる。また、記者が決められた文字数に収めやすい。

(3)歯切れよく書く
 専門的なことなどを説明するときは特に、読む意欲を湧かせ、読者の理解を助ける。具体的には、

  • 記事量は50%以内(残りは写真、グラフなどにする)
  • 漢字とかなの比率が3:7に近づくようにする
  • 記事はなるべく10行以内(130字)で改行する
  • 句読点を多くする(1行にひとつの「、」3行にひとつの「。」)
  • 一文が10行(130字)を超えないよう工夫をする
  • 不要な語、紋切り型やマンネリ表現、難しい表現、文語的な言葉は使わない

などである。

※注 1行あたりの文字数の根拠

 区報が原則、縦書きで1行13文字であったため、このような表現になっている。『記者ハンドブック』では、<記事はなるべく10行以内で改行し、やむを得ないときも15行を超えないようにする。文意により2、3行で改行してもよい。>とあることから、1文は11字×10行=110文字~165文字となる。

 区の文書事務の手引きや広報研修テキストは内部文書で、職員のみがアクセスできるイントラネット上でしか見ることのできないデータだが、このような手引き書をホームページなどで公表している自治体もいくつかある。

 杉並区では「わかりやすい言葉検討組織」を作り、区が作成する文書を洗いなおした。それをきっかけに、『外来語・役所ことば言い換え帳』を平成17年に発行した。

 同書は外来語と難しい言い回しを挙げ、それぞれに解説と言い換え例をつけた辞書のような形式になっている。

 昭島市は、2001年に「役所言葉見直しプロジェクトチーム」により『役所言葉をなくそう!~わかりやすく親しみやすい文書づくりをめざして~』を発行した。

 そこでは、「わかりやすい文書づくり」と「親しみやすい文書づくり」、「レイアウト」という項目に分け、具体的な注意事項や言い換え例を掲載している。さらに、市民513人、職員195人に対してアンケート調査を行っている。

 アンケートでは、市の文書はわかりやすいか、親しみやすいかとその理由、及び専門用語やアルファベットを使った略号表記について、それぞれ意味がわかるか、市の文書中で使っていいかどうかも聞いた。

 いずれも具体的で的を射た内容であると思われるが、ではなぜ、行政の文書はわかりにくいのだろうか。「わかりやすさ」をはき違えているのだろうか。

 そこで、行政(主に自らが在籍していた区)の考える「わかりやすさ」と、学術論文上の言語学的な見地からの「わかりやすさ」とを比較してみた。

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