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わかりやすい広報を目指して

 広報文をわかりやすいものにするためには、想定読者の社会文化的背景をも考慮して、相手の立場に立って考えることが必要である。
 それは日々住民と接している職員の姿勢が鍵を握ることになろう。

 数年前、申請書などに記載されている「○○区長殿」という表現はおかしいという指摘があり、各自治体はいっせいに「○○区長あて」と様式を修正したことがあった。
 併せて、“ 申し上げ請う”「申請書」や“ 給わり付す”「給付」などの用語が適切かどうかも検討すべきであろう。

 冒頭に挙げた翻訳家のS氏も、「(行政の)白書の場合は、“ 国民に周知する” という高みからの情報発信で、お金は政府から出ている( 政府刊行物センターで売ってはいるが、売れなくても別に困らない) ため、“ 行政サービスのひとつとして、受け手にわかりやすく書く” という発想に乏しい」と指摘する。

 アンケートに協力してくれた30歳代の女性は、冒頭に引いた2000年の建設白書の例文を読み、「わかりにくさには今でも何ら変化がない」との感想を漏らしていた。
 彼女は技術士の試験を受けるためにここ数年、国土交通省の白書を熟読しているそうだ。

 行政の広報文のわかりやすさを評価するのは、受け手である市民である。しかし現実的には、客観的かつ効率的な評価方法は必要である。
 コンピューターを使った自然言語処理によるわかりやすさの評価と修正案の提示に関する研究成果に期待するとともに、本稿も役に立つことを期待する。

以上

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 全国の行政職員の方、もし興味をもたれたら、セミナーにご参加いただき、一緒に考えませんか。

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